ワンクリック詐欺とは?業者に連絡してはいけない理由と返金してもらう方法

この記事でわかること
  • ワンクリック詐欺とは、URL等をクリックしただけで請求画面が現れるものである
  • ワンクリック詐欺の手口は近年、巧妙化しつつある
  • ワンクリック詐欺に遭ったときは無視することが最善の対策である
  • ワンクリック詐欺でお金を払ってしまったときは専門家への依頼が有効である

ワンクリック詐欺とは、Webサイト上のリンクボタンやメールで送られてきたURLを1回クリックしただけで、契約が成立したかのように見せかけて架空の料金を請求する手口の詐欺です。

多くの人がネットを利用する昨今、架空の請求画面を見て慌てた経験がある人や、実際に料金を支払ってしまった人も少なくないのではないでしょうか。

ワンクリック詐欺に引っかかったときの最善の対処法は、無視することです。しかし、無視していると取り立てや差押えを受けるのではないかと不安にかられる人も多いことでしょう。

この記事では、ワンクリック詐欺で業者に連絡してはいけない理由と、お金を払ってしまった場合に返金してもらう方法を解説します。

最近の手口や特徴、被害に遭わないための注意点もご紹介しますので、ワンクリック詐欺の被害を未然に防止するためにも参考になさってください。

ワンクリック詐欺とは?

ワンクリック詐欺とは、Webサイトやメールに掲載されたURLを1回クリックしただけで、会員登録など契約が成立したように見せかけ、多額の料金の支払いを請求するという詐欺です。

典型的な手口は、以下のようなものです。

  1. アダルトサイトや電子メールに利用者の興味を引くようなリンクを貼る。
  2. そのリンクボタンやURLをクリックすると、いきなり「登録完了」と記載された画面が表示され、架空の料金を請求される。
  3. 請求画面にはパソコンのIPアドレスや携帯電話の個体識別番号などが表示されるので、利用者は個人情報が特定されているかのような錯覚に陥る。
  4. さらに、期限までに支払わなければ延滞料を請求される上に、裁判や差押えなどの法的措置をとる旨が記載されているので、利用者は心理的に支払いを強制される。

もっとも、ワンクリック詐欺の件数は規制強化などの影響もあり、近年は減少傾向にあります。国民生活センターへの相談件数も、2014年をピークとしてその後は減少しています。

年度相談件数
201818,749
201913,716
202013,611
20219,369(前年同期9,299)

【引用元】: 国民生活センター|アダルト情報サイト

とはいえ、ワンクリック詐欺の手口は多様化・巧妙化し続けているので、引き続き注意することが必要です。

ワンクリック詐欺の手口

ワンクリック詐欺の具体的な手口をみていきましょう。

Webサイトやメール、SNS内のURLをクリックすると「登録完了」

最も代表的な手口は、前述したようにWebサイトやメールに掲載されたURLを1回クリックすると「登録完了」という画面が表示されて架空の料金を請求されるというものです。

Webサイトではアダルト系や出会い系のものが多く、メールではそれらに加えて何らかの料金の未払いの警告など緊急性が高いタイトルであおられることが多くなっています。

また、最近ではFacebookやTwitter、LINEなどのSNSにもワンクリック詐欺のURLが貼られているケースが増えています。

動画の再生やダウンロードのボタンを押すと「登録完了」

Webサイト上の何らかの申し込みボタンだけでなく、無料動画の再生やダウンロードのボタンを押すといきなり「登録完了」の画面が表示されるケースも増えています。

今では多くの人がワンクリック詐欺に警戒しているため、詐欺師側も、利用者が「まさか」と思うような場所に詐欺のリンクを貼るように工夫しています。

アプリをダウンロードすると「登録完了」

スマートフォンでワンクリック詐欺に遭うパターンとして最近多いのが、無料アプリのダウンロードボタンを押すと「登録完了」の画面が表示されるというケースです。この手口は「ワンクリックエア」と呼ばれています。

詐欺のリンクはどこにでも潜んでいる可能性があると考えた方がよいでしょう。

クリックしなくても突然、料金請求画面が開く

主にアダルトサイトで最近増えている手口として、Webページを閲覧中、利用者が何もしていないのに「登録完了」などと記載したポップアップ画面が開き、架空の料金を請求されるというものがあります。

1回もクリックしていないのに詐欺に遭うことから「ゼロクリック詐欺」「ノークリック詐欺」と呼ばれている手口です。

料金請求画面を閉じても繰り返し表示されたり、閉じようとすると警告音が鳴ったり、スマートフォンのバイブが振動したりして、記載された問い合わせ先への連絡を強制されるケースもあります。

料金請求画面が開くと自動的に電話が発信される

スマートフォンの電話発信機能を悪用して、料金請求画面が開くと同時に詐欺師の番号に電話が発信されるという手口もあります。

ワンクリック詐欺のプロセスは、利用者が無視するとそこで終了するため、詐欺師側は強制的に連絡させる手口を編み出しています。

このように、ワンクリック詐欺の手口は多様化・巧妙化しており、今後も新手の手口が編み出されていくものと考えられます。

ワンクリック詐欺の可能性が高い悪質サイト・メールの特徴

詐欺師が仕掛けるサイトやメールには、いくつかの特徴があります。以下の特徴に注意して見極めることで、ワンクリック詐欺の被害を回避することが可能となります。

URLやアドレスが不自然

正規の業者のWebサイトのURLやメールのアドレスはシンプルなものであることがほとんどですが、詐欺師のURLやアドレスは長く不自然なものが多くなっています。

ネットに慣れた人なら、URLやアドレスを見るだけで詐欺を見抜けることが多いです。

しかし、正規の業者のものと酷似したURLやアドレスを取得する詐欺業者も多いので、注意深く確認することが必要です。

運営者情報が掲載されてない

事業者のWebサイトには、運営者情報や会社概要が掲載されているものです。料金を請求してくるにもかかわらずこれらの情報が掲載されていない場合は、詐欺サイトである可能性が非常に高いといえます。

詐欺サイトでも見せかけの運営者情報が掲載されていることもありますが、会社の住所が番地まで書かれていないなど、不審な点がいくつかあるはずです。

利用規約が掲載されていない

正規の事業者のサイトには詳細な利用規約も掲載されているはずです。利用規約が掲載されていないサイトも、詐欺サイトである可能性が高いです。

ただ、利用規約については正規の事業者のサイトでも似たり寄ったりの内容であることが多く、詐欺サイトにもどこかのサイトの利用規約をコピペしたものが掲載されていることがあります。

しかし、詐欺サイトの利用規約を見ると、サイトの内容と利用規約の内容が適合していないことがほとんどです。

何らかのサービスを利用する際には、利用規約に目を通すようにしましょう。その内容が不自然な場合は、詐欺を疑った方がよいでしょう。

騙しリンクが設置されている

騙しリンクとは、Webサイト内のリンクをクリックすると、案内とは異なる内容のページが開かれるリンクのことです。

アダルトサイトの運営者が広告収入を得る目的で設置した無害な騙しリンクもありますが、ワンクリック詐欺のリンクも騙しリンクの一種です。

騙しリンクが設置されているサイトには近づかない方が無難であるといえます。

思わずクリックしてしまうタイトルが付けられている

メールによるワンクリック詐欺では、受信した人が思わずクリックしてしまうようなタイトルが付けられていることがほとんどです。

  • ○○万円の懸賞に当選されました
  • 【警告】○○の料金が未払いとなっています
  • パソコンがウィルスに感染しており、処置が必要です

等々、メールを開かざるを得ないようなタイトルであおり、詐欺リンクに誘導するという手口です。

ワンクリック詐欺に遭わないための注意点~業者に連絡してはいけない理由とは

悪質サイト・メールの特徴を踏まえた上で、さらにワンクリック詐欺に遭わないための注意点を解説していきます。

請求画面が表示されても無視する

パソコンやスマートフォンに突然、料金請求画面が表示されたときは、無視することが最善の対処法です。

そもそもリンクをワンクリックしただけでは契約が成立していないので、金銭の支払い義務は生じません。消費者に申し込みの意思がなかった場合や、契約内容の確認とミスを訂正できる過程がない契約などは、電子消費者契約法で無効とされているのです。

契約が無効なので、解約手続きも不要です。料金請求画面の中に「解約を希望する方はこちらへ」という案内文とともに問い合わせ先が記載されていることが多いですが、無視するに限ります。

問い合わせ先に連絡しない

問い合わせ先に連絡してしまうとどうなるかというと、まず、言葉巧みな誘導や脅迫的な要求によって支払いの約束をさせられてしまうおそれがあります。

アダルトサイトや出会い系サイトの利用に心当たりがあると、未払い料金を請求されると架空の請求であっても「支払う必要があるのでは」という気持ちになってしまうものです。

また、詐欺業者に電話すると電話番号が知られてしまいます。また、本人確認と称して氏名や生年月日、住所、クレジットカード情報などの個人情報も知られてしまうことが多いです。これらの個人情報を悪用され、別の詐欺被害に遭ってしまう可能性もあります。

料金請求画面にはパソコンのIPアドレスや携帯電話の個体識別番号が表示されていることが多いですが、これらの情報は誰でも取得可能なものです。これらの情報だけで氏名や住所を割り出すことはできないので、安心して無視しましょう。

不審なサイトやメールにアクセスしない

ワンクリック詐欺の被害に遭わないためには、そもそも不審なサイトにアクセスせず、差出人が誰なのかわからないメールを開かないことです。

アダルトサイトや出会い系サイトの中にも、信頼できるサイトとそうでないサイトがあります。見たことがないサイトに貴重な情報があるような気がするかもしれませんが、信頼できるサイトのみを利用するようにした方がよいでしょう。

信頼できないURLや広告をクリックしない

長く不自然なURLは詐欺リンクである可能性が高いので、クリックしない方が無難です。そのURLをコピペして検索すれば、詐欺リンクであることが確認できることもあります。

広告の場合は、いっけんすると正規の広告と見分けがつかないことも少なくありません。気になる場合は広告の提供元を確認し、その業者名で検索すれば詐欺業者であることが判明することもあります。

運営者情報や利用規約を事前に確認する

先ほどもお伝えしましたが、何らかのサービスを利用する際には、運営者情報や利用規約を事前に確認するようにしましょう。

運営者情報に見たことがない業者名が記載されている場合は、その業者名で検索してみることをおすすめします。情報がヒットしない場合、その業者が正規に活動していない証であるといえます。

ワンクリック詐欺でよくある事例

ここでは、実際によくあるワンクリック詐欺の事例をいくつかご紹介します。事例をご覧いただくことで、詐欺の手口をより具体的に理解していただけることでしょう。

アダルトサイトの年齢確認で不当請求を受けた事例

まずは、アダルトサイトにおける典型的なワンクリック詐欺の事例をご紹介します。

パソコンからアダルトサイトにアクセスすると、「20歳以上ですか?」という年齢を確認する画面が出てたので「はい」のボタンをクリックした。すると「登録完了。登録料〇円」という画面に移り、画面の下の方に振込先口座も記載されている。請求画面が貼り付いてしまいパソコンを再起動しても消えない。

【引用元】: 茅ヶ崎市|「ワンクリック請求」の事例(アダルトサイトを閲覧していたら突然料金を請求された)

現在でも、このように典型的な手口のワンクリック詐欺の被害に遭う人はいます。請求画面が表示されても決して料金を振り込まず、業者に連絡もしないようにしましょう。

なお、この事例のように請求画面が消えない場合は、システムの復元や初期化が必要となる可能性があります。詐欺業者に連絡しても消えるものではありませんので、パソコン修理の専門業者にご相談ください。

突然、請求画面が開いた事例

最近は、何もクリックをしていないのに突然、請求画面が開く手口の詐欺も多発しています。

スマートフォンでインターネット検索をしていたら、突然アダルトサイトにつながり、「登録完了」と表示され、39,800円請求されました。画面に相手の電話番号が表示されて消えませんが、電話をした方がよいでしょうか。

【引用元】: 大分県消費生活センター|ワンクリック詐欺の被害が増加しています!ご注意ください

ゼロクリック(ノークリック)で請求画面が開くケースもあれば、誤ってどこかのリンクをクリックしてしまったために請求画面が開くケースもあります。

どちらにしても、典型的なワンクリック詐欺の事例と同様、振り込みも連絡もしてはいけません。

トラブル解決を謳う二次被害に遭った事例

次は、少し変わった事例をご紹介します。

アダルトサイトのワンクリック詐欺にあってしまい30万円請求された。インターネットで「消費生活センター」と検索し、上位に表示されたところに電話して相談し、サイトの電話番号を伝えたところ、「悪質なサイトにひっかかった。弁護士に依頼すると数10万円かかる。うちは5万円で解決してあげる。」と言われたので、お願いすることにした。契約書を郵送してもらうために住所・氏名を聞かれて教えたが、やめたい。

【引用元】: 愛知県県民生活部県民生活課|アダルトサイトのワンクリック請求のトラブル解決を謳う二次被害

この方が相談した先を調べてみると、悪質な探偵業者のようでした。

ワンクリック詐欺に遭ってしまったとき、第三者に相談することは正しい対処法であるといえます。しかし、この事例のように被害者の同様に乗じて解決料金の名目で金銭を騙し取ろうとする悪質業者もいます。

相談する際は、これからご紹介するように、正しい相談先に連絡することが大切です。

ワンクリック詐欺でお金を支払ってしまったときに自分で返金を求める方法

ワンクリック詐欺に遭ってしまったときの最善の対処法は、無視することです。たとえ業者に連絡してしまった場合でも、無視しましょう。業者から繰り返し電話がかかってきてもすぐに切り、できれば着信拒否をすることです。

お金を支払ってしまった後は、以下の対処法によって返金を受けられる可能性があります。

警察に相談する

最近は警察もネット犯罪の検挙に力を入れているので、警察に相談すれば犯人を検挙してもらえる可能性があります。刑事事件となれば、犯人が示談を希望して返金してくることもあります。

警察に相談する際は、請求画面を印刷するか、スクリーンショットで保存するなどして証拠化し、各都道府県警察本部の「サイバー犯罪相談窓口」に連絡をしましょう。

ただし、警察がお金を取り戻してくれるわけではないので、犯人が自主的に返金しようとしない場合はさらに対処が必要となります。

国民生活センターに相談する

国民生活センターでは、消費者トラブルに関するさまざまな相談を無料で受け付けています。ワンクリック詐欺に関する相談も数多く寄せられているので、有益なアドバイスが受けられます。

局番なしの「188」に電話をすると最寄りの消費生活センターを案内してもらえるので、そこに相談するのもよいでしょう。

ただし、国民生活センターや消費生活センターの相談員も、犯人から直接お金を取り戻してくれるわけではありません。

詐欺業者と直接の交渉はしない方がよい

警察や国民生活センター等に相談しても返金を受けられなかった場合は、詐欺業者と交渉することが必要となります。

しかし、自分で直接交渉しようとすると、連絡先を詐欺業者に知られてしまう上に、脅迫的な言動で支払いを請求されたりするおそれがあります。

そのため、直接交渉はすることはおすすめできません。詐欺業者との交渉は、弁護士や司法書士といった法律の専門家に任せた方がよいです。

ワンクリック詐欺で被害に遭ったら弁護士・司法書士に相談を

ワンクリック詐欺で架空の料金を請求されて困ったときや、返金を求めたいときは弁護士・司法書士に相談することを強くおすすめします。

最適な解決方法を提案してもらえる

弁護士・司法書士はワンクリック詐欺の手口を熟知しているので、相談すれば状況に応じて最適な解決方法を提案してくれます。

表示された請求画面がワンクリック詐欺であるかどうかは、専門家が見れば一目瞭然です。専門家に判断してもらうことで、安心することができるでしょう。

詐欺業者と返金の交渉をしてもらえる

返金を求めるためには詐欺業者と交渉する必要がありますが、弁護士・司法書士に依頼すれば代理人として交渉してもらえます。

専門家が代理人として付けば、詐欺業者も刑事告訴や民事裁判を起こされることを警戒するので、返金請求に応じてくることがあります。

法的手続きで返金を請求してもらえる

交渉で返金されない場合には裁判を起こすことが必要となりますが、裁判手続きは複雑なので、一般の方が的確に進めることは難しいものです。

専門家に依頼すれば、裁判手続きもすべて任せることができます。裁判所で詐欺行為と被害の事実を立証することができれば、強制的な返金が可能となります。

まとめ

ワンクリック詐欺は以前からある手口なので、日頃から警戒している人も多いはずです。しかし、近年では手口が多様化・巧妙化していることもあり、警戒していても引っかかってしまうことがあるでしょう。

請求画面が出てきたとしても無視すれば問題ありませんが、どうしても不安な場合や、詐欺業者にお金を支払ってしまった場合は、すぐに弁護士・司法書士に相談した方がよいでしょう。

詐欺の被害の防止、および返金を求めるためには、専門家の力を借りることが得策です。

タイトルとURLをコピーしました