航空券やホテル、高速バスの予約で「skyticket(スカイチケット)」を使ったことがある方は、今すぐ確認してほしいことがあります。
skyticketを運営するアドベンチャーは10月9日、3つの異なる経路で不正アクセスなどがあり、約1,464万件の個人情報が流出したと発表しました。そのうち約413万件にはログインのパスワード(ハッシュ値という形)が含まれ、一部の利用者は返金用の銀行口座の情報まで漏れています。
この記事では、何がどこから漏れたのか、パスワードが漏れた人が今すぐやるべきこと、そして返金や予約の変更を装った詐欺の見分け方について、くわしく解説してまいります。
この記事のポイント
- skyticketに入力した約1,464万件の氏名・生年月日・メールアドレス・電話番号・住所などが流出
- うち約413万件はログインのパスワード(ハッシュ値)も流出。skyticketと同じパスワードを使っているサービスは、すぐに変更を
- 別の経路で、返金用の口座情報(17,780件)や、高速バスの予約内容(約1万2,000件)も漏れた
- 当初「カード情報は漏れていない」とされていたが、10月16日の第2報で「skyticketプレミアム」の会費を払った最大6,140人のカード番号・名義・有効期限も流出したと訂正された
- skyticketは、返金や補償のためにお金を求めたり、パスワードや暗証番号を聞いたりすることはないとしている
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何が起きたのか:3つの経路で不正アクセス
今回の発表で特徴的なのは、1つの事件ではなく、経路の違う3つの事件がまとめて明らかになったことです。

1. サーバーとクラウドのデータが流出(約1,464万件)
| 期間 | 2026年10月2日〜4日に不正アクセス。10月5日に発覚 |
|---|---|
| 経路 | skyticketの一部の管理機能が不正に操作され、そこから別のサーバーやクラウドに保管されていたデータに到達された |
| 漏れた情報 | 氏名(パスポートの表記を含む)、生年月日、メールアドレス、電話番号、郵便番号・住所、銀行振込をした人の名義 |
| パスワード | 約413万件で、ログインのパスワードがハッシュ値として流出 |
2. 社内の業務システムから流出(17,780件)
| 期間 | 2026年9月20日に不正アクセス。9月28日に発覚 |
|---|---|
| 経路 | 社内の業務管理システムの脆弱性(セキュリティ上の弱点)を突かれた |
| 漏れた情報 | 氏名、電話番号、返金用の口座情報(銀行名、支店、口座の種類、口座番号、口座名義)。一部はメールアドレス、生年月日、住所も |
| 被害 | この件に関連して、会員1人のアカウントへの不正ログインが確認されている |
3. 高速バスの予約確認ページが丸見えに(約1万2,000件)
| 期間 | 2026年8月3日〜10月1日。10月1日に修正 |
|---|---|
| 経路 | バスの予約確認ページが、ログインしなくても表示できる状態になっており、第三者に自動で閲覧された |
| 漏れた情報 | 予約した人の氏名、年齢、性別、生年月日、メールアドレス、電話番号、会員ID、支払い方法と金額、予約日時、乗車日時・乗り降りの場所・バス会社・便名・予約番号。同行者の氏名・年齢・性別 |
第2報で分かった、カード情報の流出(最大6,140人)
skyticketは10月9日の第1報で「カード情報は漏れていない」と説明していましたが、10月16日の第2報で、これを訂正しました。
| 対象 | 2017年2月〜2018年6月に、「skyticketプレミアム」の会費の支払いでカードを登録・利用した人(最大6,140人) |
|---|---|
| 漏れた情報 | カード番号、名義、有効期限(一部の人はカード番号のみ)。セキュリティコードは含まれないとしている |
| なぜ漏れた | 2018年まで自社で保管していたカード情報は削除していたが、会費の支払いの記録(ログ)がサーバーに残っており、10月2日〜4日の不正アクセスで取得された。暗号化されていたものの、暗号を解くための情報も取得されたため、読み取られるおそれがある |
| あわせて漏れたもの | 福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」の会員IDとパスワード(同じく読み取られるおそれがある) |
対象の期間に会費を払った人は、カードを更新していても番号が変わらない場合があるため、今使っているカードの明細も確認してください。skyticketは、2018年6月以前のほかの支払いにカード情報が残っていないかも調べています。
漏れていないとされるもの
- 上記以外のクレジットカード番号:2018年6月以降は、カード情報を決済代行会社が管理しているとしています
- パスポートの画像・パスポート番号:1の経路では、パスポート番号は漏れていないとしています(2の経路は調査中)
skyticketは、不正な買い物を防ぐため、10月7日18時ごろから、登録済みのカードでの支払いと、カード情報を保存する機能を止めています。
自分が対象かの確かめ方
skyticketは、対象の会員にメールで順に連絡しています。ただし、連絡のメールに見せかけた詐欺メールもありえます。
- メールのリンクからではなく、skyticketの公式アプリや、ブックマークから開いた公式サイトでお知らせを確認する
- 過去にskyticketで航空券・ホテル・高速バスなどを予約したことがあり、会員登録をしている人は、対象の可能性が高いと考えて対策をしておく
- 連絡のメールが届かない場合も、公式サイトの「お知らせ」から最新の発表を確認する
今すぐやるべき3つのこと
1. 同じパスワードを使っているサービスを、すべて変更する
今回いちばん急ぐべきなのは、これです。約413万件のパスワードは「ハッシュ値」という、そのままでは読めない形で漏れました。ただし、ハッシュ値は元に戻される(解読される)ことがあると、skyticket自身も注意を呼びかけています。

特に、「誕生日」「名前+数字」「password123」のような推測されやすいパスワードは、元に戻されやすいとされています。今回は生年月日や名前も一緒に漏れているため、それらを組み合わせたパスワードは特に危険です。
- skyticketのパスワードを、新しいものに変更する
- 同じメールアドレスとパスワードで使っているほかのサービス(通販、メール、SNSなど)も、すべて変更する
- 新しいパスワードは、サービスごとに別のものにする。パスワード管理アプリを使うと楽です
- 2段階認証に対応しているサービスは、オンにしておく
なお、公表の直後は、パスワードの変更ページでエラーが出た例も報じられています。エラーになった場合は、時間をおいて、公式サイトのパスワード再設定のページからやり直してください。
2. 予約の履歴とカードの明細を確認する
- 2017年2月〜2018年6月に「skyticketプレミアム」の会費を払った人は、カードの明細を特にこまめに確認し、不安ならカード会社に再発行を相談する
- 「ベネフィット・ステーション」を使っている人は、そのパスワードも変更する
- skyticketのマイページで、身に覚えのない予約がないか確認する
- カードの利用明細に、身に覚えのない請求がないか確認する
- 見覚えのないものがあれば、skyticketとカード会社に連絡する
3. 返金用の口座を登録していた人は、口座の動きに注意する
返金を受けるために口座を登録していた人は、口座の情報が漏れた可能性があります。口座番号だけでお金を引き出されることはありませんが、銀行や返金を装った詐欺の材料に使われるおそれがあります。
このあと届くおそれがある詐欺
今回漏れた情報は、名前や連絡先だけでなく、返金の口座や予約の中身まで含みます。次のような詐欺に特に注意してください。
「返金があります」詐欺
「情報漏洩のお詫びとして返金します」「予約のキャンセル料を返金します」などと連絡し、ATMやネットバンキングを操作させて、実はこちらからお金を振り込ませる手口です。昔からある「還付金詐欺」と同じ仕組みで、本物の口座番号や予約内容を言い当てられると、信じてしまいやすくなります。

予約の変更・キャンセルを装う詐欺
- 「ご予約の便が欠航になりました。振替の手続きはこちら」:航空会社やバス会社を装い、偽のページでカード情報を入力させるもの
- 「お支払いが確認できず、予約がキャンセルされます」:急がせて、別の支払い方法や偽のページに誘導するもの
- 「予約番号○○○○について、本人確認が必要です」:本物の予約番号を見せて信用させるもの
skyticketや銀行を名乗る連絡
- 「アカウントが不正に使われています。パスワードを確認してください」というメールやSMS
- 銀行を名乗り、「口座が不正に使われている」と言って、暗証番号やネットバンキングのパスワードを聞き出す電話
本物と見分けるポイント
skyticketが「しないこと」を覚えておく
skyticketは、今回の件で次のことはしないとしています。
- 返金や補償のために、お金を払うよう求めること
- パスワード、カード番号、口座の暗証番号を聞くこと
これを求められたら、相手が誰を名乗っていても詐欺です。
「返金のためにATMへ」は100%詐欺
返金を受け取るために、ATMやネットバンキングを操作させることはありません。「ATMで手続きを」と言われたら、すぐに電話を切ってください。
名前・予約番号・口座番号が合っていても本物とは限らない
今回は、これらがすべて漏れている可能性があります。自分の情報を言い当てられても、それだけで信用しないでください。
確認は、公式アプリ・公式サイト・カードや通帳の番号から
予約の状況はskyticketの公式アプリや公式サイトで、口座のことは通帳やキャッシュカードに書かれた銀行の番号で、自分から確かめましょう。
情報を入力した・お金を払ってしまった場合は?
- カード情報を入力した場合は、すぐにカード会社に連絡して、カードの利用を止めてもらう
- パスワードを入力した場合は、すぐに本物のサイトで変更する。同じパスワードを使っているほかのサービスも変更する
- お金を振り込んでしまった場合は、すぐに振込先の銀行と、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署に連絡する(早ければ、口座を凍結してもらえることがあります)
まとめ
- skyticketに3つの経路で不正アクセスなどがあり、約1,464万件の個人情報が流出した
- 約413万件はパスワードのハッシュ値も流出。skyticketと同じパスワードを使っているサービスは、すぐに変更する
- 返金用の口座情報や、高速バスの予約内容が漏れた人もいる。第2報で、skyticketプレミアムの会費を払った最大6,140人のカード情報の流出も分かった
- 「返金があります」「予約がキャンセルされます」といった連絡に注意。skyticketが返金のためにお金やパスワードを求めることはない
旅行の予約サイトは、名前・生年月日・連絡先・予約内容がまとめて登録されているため、漏れたときの影響が大きくなりがちです。skyticketを使ったことがある方は、まずパスワードの変更から始めましょう。
相談・問い合わせ先
- skyticketの公式発表:不正アクセスによるお客様情報漏洩に関するお詫びとお知らせ
- 警察相談専用電話「#9110」:詐欺かどうか不安なとき、被害に遭ったかもしれないときに相談できます。
- 消費者ホットライン「188」:最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。
- フィッシング対策協議会:迷惑メールフォルダーに入らずに届いたフィッシングメールは、リンクをクリックせずに info@antiphishing.jp へ転送して報告できます。
参考
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