支援金詐欺とは?その手口と被害に遭わない方法から返金方法まで解説

この記事でわかること
  • 支援金詐欺とは、支援を持ちかけておきながらお金を騙し取る特殊詐欺である
  • 当初の被害は少額だが、繰り返しお金を要求され高額の被害に遭うことがある
  • うまい話を持ちかけられたら詐欺を疑うべきである
  • 返金してもらうためには弁護士・司法書士への依頼が有効である

突然、心当たりもないのに「あなたは支援金を受け取る権利があります」「○○万円に当選しました」などのメールが届いた人は多いことでしょう。

「そんなはずはない」と無視する人もいますが、中には「本当に受け取れるのかな?」と考えて返信してしまう人もいます。返信してしまうと、詐欺業者から言葉巧みに送金を要求され、最終的に金銭を騙し取られてしまいます。

これが「支援金詐欺」というもので、特殊詐欺の一種です。

支援金詐欺のメールが届いたら無視することが一番ですが、お金を払ってしまった後でも詐欺師から返金させることは可能です。

この記事では、支援金詐欺の被害に遭わないために手口をご紹介するとともに、被害に遭ってしまった場合に返金してもらう方法についてもわかりやすく解説していきます。

支援金詐欺とは?

支援金詐欺とは、詐欺師が手当たり次第に「あなたはお金を受け取れます」という内容のメールを送信し、返信があった人から手数料などの名目で金銭を騙し取るという手口の特殊詐欺です。

お金を支払わせる方法として、以前は専用サイトへの登録料を支払わせ、さらにそのサイトでポイントを購入させる方法が主でした。最近では、コンビニなどで電子マネーを購入させ、その利用に必要な番号を聞き出すという手口も増えています。

いきなり「お金を受け取れる」と言われても、通常は不審に思って相手にしないと思われることでしょう。しかし、詐欺師の手口も巧妙化しているため、被害に遭ってしまう人が後を絶ちません。

ここでは、詐欺師がターゲットをおびき寄せるために使う代表的なパターンをご紹介します。

高額当選をかたるパターン

当選詐欺 事例

「○○千万円が当選しました!」
「○億円当選おめでとうございます!」

などのタイトルを付けたメールが送られてくるパターンです。返信すると、当選金を受け取るためには数千円の手数料が必要という内容になっていることが多いです。

当初の要求額は少額でも、さまざまな口実で繰り返し送金を要求され、最終的に数十万円から100万円以上を騙し取られてしまいます。

支援団体を名乗るパターン

何らかの支援団体を名乗り、「お困りの方が受け取れる支援金があります」というメッセージが送られてくるパターンです。

シングルマザーのための支援や高齢者のための支援など、ありがちな支援団体を名乗ることが多いです。最近では、コロナ禍で生活が困窮している人のための支援をかたるケースが急増しています。

支援対象に該当する人の中には、つい返信してしまい、詐欺の被害に遭ってしまう人がいます。

税金対策として財産を渡したいというパターン

「財産を持っていると多額の相続税がかかるので、税金対策として誰かに財産を受け取ってもらいたい」というメッセージが送られてくるパターンもあります。

いきなり財産を渡したいと言われても、大半の人は無視するか警戒するものです。そこで詐欺側でも、財産を渡したい理由としてありがちなことをかたり、相手を信用を得ようとしてくるのです。

資産家を装い支援や相談を装うパターン

相手の信用を得ようとして資産家を装う手口としては、税金対策の他にも以下のようなパターンがあります。

「自分にはこれ以上のお金は必要ないので、若い人を応援したい」
「困っている人を助けてあげたいので、相談してほしい」

以上のどのパターンでも、手数料などの名目で繰り返し送金を要求されます。途中で詐欺に気付かなければ、最終的に多額の被害に遭ってしまうことになります。

支援金詐欺でお金を騙し取る手口

次に、支援金の詐欺師はどのような手口でお金を騙し取るのか、被害に遭うまでの流れをご紹介します。

迷惑メールなどで支援を持ちかける

支援金詐欺のほとんどは、手当たり次第に送信する迷惑メールから始まります。

大半の人が迷惑メールを無視することは詐欺師もわかっているので、とにかく人の目を引くようなタイトルを付け、不特定多数の人に向けて大量に送信します。

関心を持ってメール返信や電話をかけてきた人に対して、以下の手口でお金を払わせようとしてきます。

詐欺サイトへ誘導する

迷惑メールに記載されている問い合わせ先に連絡すると、支援金を受け取る手続きを行うための専用サイトへの登録を求められます。

このサイトは詐欺師が開設した偽サイト(詐欺サイト)なので、注意深く見ればこの段階で詐欺に気付くはずです。しかし、お金に目がくらんで登録してしまうひともいます。

個人情報を送信させる

詐欺サイトへの登録の際は、個人情報を入力させられます。

詐欺師に個人情報を知られると、手数料請求の際に「自宅まで受取りに行く」などと脅迫されたり、個人情報が悪用されて別の詐欺の被害に遭うおそれもあります。

受取費用を請求する

受取費用としては、まず詐欺サイトへの登録の際に数千円程度の登録料を要求されることが多いです。その後は事務手数料などの名目で、有料ポイントを繰り返し購入させられます。

最初は少額でも、繰り返し費用を要求されることで被害額が高額となっていきます。

なお、最近では詐欺サイトに登録させるのではなく、コンビニなどで電子マネーを購入させて、その利用番号を聞き出すという手口も増えています。

サクラを使って費用の送金をあおる

支援金詐欺に引っかかる人でも、費用を支払う段階で警戒する人は少なくありません。そこで、詐欺師はサクラを使って費用の送金をあおってきます。

登録させた詐欺サイト内の掲示板やメッセージなどで、他の利用者を名乗る人物が数多く登場し、支払いを勧めてくるのです。

「私は○○万円受け取りました。とても助かっています」
「あなたも早く受け取った方がいいですよ」
「あなたが受け取らないと、他の人も受け取れなくなってしまいます」

このようなメッセージを見た人は、「こんなに多くの人が実際に受け取っている」と信じ込んでしまい、費用を送金してしまいます。

実際にあった支援金詐欺の事例

ここでは、最近のニュースの中から実際にあった支援金詐欺の事例をご紹介します。

ほとんどの人は「自分が支援金詐欺などに遭うはずがない」と考えているものですが、実際に被害に遭う人は少なくありません。詐欺師の手口もそれだけ巧妙化しているので、警戒が必要です。

「7億円当選」で電子マネーを騙し取られた事例

2021年12月、秋田市内の20代の女性のスマートフォンに「7億円が当選した」というショートメールが届き、2,000円を騙し取られたという事件が発生しました。

ショートメール内に貼られていたリンクをクリックすると、表示された画面に「当選金を受け取るためには電子マネーが必要」などと記載されており、女性は案内に従いコンビニで電子マネーを購入し、利用番号をサイトに入力して送信したとのことです。

もっとも、この女性はさらに電子マネーの購入を要求された段階で不審に思い、警察に相談したことで被害が発覚しました。

早い段階で詐欺に気付いたので2,000円の被害で済みましたが、気付かなければ多額の被害に遭っていた可能性があります。

災害支援団体とかたる者に4,900万円を騙し取られた事例

次は、4,900万円もの高額の被害に遭ってしまった事例です。

この事例では、2021年4月から12月にかけて、札幌市内の70代の女性の自宅に札幌市や災害支援団体を名乗る男らから電話が入り、「福島の小学校に放射能除染機を送りたい」などという口実で支援を求められました。

女性が事前に教えられた「秘密の番号」を伝えると、今度は「不正送金になる」などと脅され、保証金の名目で5回にわたり現金合計約4,900万円を宅配便で送付してしまったとのことです。

その後、相手と連絡が取れなくなったことを女性が不審に思い、警察に相談したことで被害が発覚しました。

この事例でも、早い段階で詐欺に気付いていれば、ここまで高額の被害に遭うことはなかったはずです。

資産家を装う者に55万円を騙し取られた事例

2021年11月、山口県岩国市の70代の女性の携帯電話に「資産家があなたに1億円を贈与します」という内容のメールが届き、55万円を騙し取られるという事件が発生しました。

女性は偽サイト(詐欺サイト)に誘導され、1億円を受け取るためには電子マネーが必要という指示に従い、電子マネーを購入して利用番号を知らせました。

ところが、相手から「手続きが遅れたため犯罪になる。解決するために5万円が必要」などと言われ、繰り返し金銭を要求されました。

結局、女性は10回にわたって電子マネーの利用番号を伝えたり、現金を振り込むなどして合計55万円を騙し取られたとのことです。

被害額を最小限に抑えるためには、早い段階で詐欺に気付くことがポイントとなります。

支援金詐欺に遭わないための注意点

支援金詐欺の被害を未然に防ぐためには、以下のポイントに注意しましょう。

うまい話を持ちかけられたら詐欺を疑う

まず、「うまい話には裏がある」と考えることが重要です。見知らぬ人が理由もなくお金をくれると言うことはあり得ません。

それでも、詐欺師の巧妙な手口により、うまい話に目がくらんでしまうこともあるかもしれません。そんなとき、いったん立ち止まって「詐欺ではないか」と考えるかどうかがポイントとなります。

残念ながら、現在ではさまざまなところに詐欺師が潜んでいますので、「うまい話があれば詐欺を疑う」と決めておいた方がよいでしょう。

送金する前に家族に相談する

冷静に考えると、「お金をくれる」と言われたのに費用を請求されることはおかしいということに気付くはずです。

しかし、うまい話に目がくらんでいたり、サクラに促されたりして、費用を送金してしまう人がいます。

お金を動かす前には、家族に相談してみるべきです。他人は冷静に判断できるので、「その話はおかしい」「詐欺ではないか」とアドバイスしてくれるはずです。

相手の情報を検索して確認する

相談する相手が身近にいない場合は、相手の業者名やメールアドレス、サイトのURLなどを検索してみることがおすすめです。ネット上の口コミなどで、相手が詐欺師であると判明することがあります。

特に情報がヒットしなかったとしても、支援金詐欺に関するさまざまな情報を見ることで、詐欺に気付けることもあるでしょう。

支援金詐欺で騙し取られたお金を返金してもらう方法

支援金詐欺に遭い、お金を騙し取られてしまった場合は、以下の方法によって返金してもらえる可能性があります。

警察に相談する

まずは、各都道府県の警察本部に設置されているサイバー犯罪相談窓口に相談しましょう。とりあえず、最寄りの警察署に相談しても構いません。

警察の捜査の結果、犯人が検挙された場合は、示談交渉によって返金されることもあります。

ただし、警察がお金を取り戻してくれるわけではないので、必ずしも返金が受けられるとは限りません。

銀行・カード会社に相談する

詐欺師に対して銀行で現金を振り込んだ場合は、その銀行に連絡しましょう。振り込め詐欺救済法に基づく手続きによって詐欺師の口座が凍結され、その預金の中から返金してもらえる可能性があります。

カード決済で詐欺師が要求するポイントなどを購入した場合は、カード会社に連絡してください。詐欺師に代金が支払われる前であれば、取引が停止されて返金されます。

ただし、電子マネーを購入して詐欺師に利用番号を伝えてしまった場合は、これらの方法で返金を受けることはできません。

国民生活センターに相談する

以上の方法でも返金されない場合は、国民生活センターに相談してみるのもよいでしょう。

国民生活センターには数多くの被害者から相談が寄せられているので、経験豊富な相談員が有益なアドバイスをしてくれます。

相談する際は、局番なしの「188」に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえます。

支援金詐欺の被害に遭ったら弁護士・司法書士に相談を

支援金詐欺の被害に遭ったと気付いたら、すぐ弁護士または司法書士という法律の専門家に相談することが最も有効な対処法となります。

専門家に相談することで、以下のメリットが得られます。

具体的な解決方法をアドバイスしてもらえる

詐欺の被害に遭った後、一人で悩んでいてもお金が戻ってくることはありません。専門家に相談すると、状況に応じて効果的な解決方法をアドバイスしてもらえます。

返金してもらうためにやるべきことがわかるので、具体的な行動をとることが可能となります。

必要に応じて、警察や銀行、カード会社への相談なども専門家が勧めてくれるので、まずは早急に弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。

詐欺師との返金交渉を代行してもらえる

多くの場合、返金してもらうためには詐欺師と交渉する必要があります。しかし、相手は詐欺師なので、被害者が直接交渉を求めても誠意のある対応は期待できません。

しかし、弁護士・司法書士に依頼すれば、詐欺師との返金交渉を代行してもらえます。

詐欺師も、法律の専門家が相手となれば、刑事告訴や民事裁判を恐れて返金に応じてくることがあります。

法的手続きで返金が期待できる

詐欺師と交渉しても返金されなかった場合は、裁判などの法的手続きが必要となります。しかし、裁判手続きは複雑であり、勝訴して返金を受けるためには専門的な法律知識や経験が求められます。

弁護士・司法書士に依頼すれば、複雑な法的手続きもすべて任せることができるので、返金を受けられる可能性が高まります。

まとめ

支援金詐欺は、パソコンや携帯電話のメールが普及しはじめたころから行われている詐欺の手口ですが、現在でも被害に遭う人が少なくありません。「うまい話には裏がある」ということを忘れず、警戒することが必要です。

少しでも怪しいと感じたら、立ち止まって弁護士・司法書士に相談することを強くおすすめします。

万が一、被害に遭ってしまった場合でも諦めず、専門家の力を借りて返金を請求しましょう。

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