- 競馬予想サイトの多くは詐欺である
- 競馬予想詐欺に引っかかると次々にお金を毟り取られることが多い
- 競馬予想詐欺の手口・特徴を知り、詐欺を見分けることができるようになる
- 返金を求めるためには弁護士・司法書士への依頼が望ましい
競馬の予想情報は至るところで提供されていますが、有料で提供されている競馬予想のほとんどは詐欺です。
無料の競馬予想でも、業者に連絡すると有料サービスの利用を勧められ、多額のお金を騙し取られる可能性が高いので注意が必要です。
競馬をするなら当てたいと思うのは当然のことですが、そんな人たちの欲につけ込んで詐欺行為をはたらく悪質業者が数多くいます。
いったん競馬予想詐欺にひっかかってしまうと、次々にお金を騙し取られて多額の借金を抱えてしまうケースも多々あります。
この記事では、競馬予想詐欺の手口や見分け方をわかりやすく解説していきますので、被害を回避するためにしっかりとご確認ください。
既に被害に遭ってしまった方にも参考にしていただけるように、返金を求める方法もご紹介します。
競馬予想詐欺とは
競馬予想詐欺とは、「必ず儲かる」などの誘い文句で根拠が乏しい競馬の予想情報を提供し、多額の金を騙し取る手口の詐欺です。
たしかに、競馬では様々な情報を収集・分析することによって、ある程度は的中率を上昇させることも不可能ではありません。
しかし、あくまでもそれは「予想」に過ぎず、当たることもあれば外れることもあるのは当然のことです。
悪質業者は「絶対に当たるレースがある」「高確率で的中させます」などと謳い、根拠がまったくない乏しい競馬予想情報を売りつけてきます。
このような情報を高額で購入しても馬券が的中することは滅多になく、悪質業者にお金をむしり取られるだけです。
競馬予想詐欺の代表的な手口
競馬予想詐欺にひっかからないよう、まずは代表的な手口をご紹介します。
JRAの関係団体を名乗って勧誘してくる
「JRA公認」の予想会社をかたって勧誘し、実のない予想情報を高額で売りつける詐欺業者がいます。
このような業者のホームページなどにはJRA(日本中央競馬会)のロゴマークが掲載されていたり、JRAのホームページへのリンクが貼られていたりするので、ユーザーは「JRAが認めている予想会社だ」と思い込み、料金を支払ってしまいがちです。
しかし、JRAやその関係団体が競馬の予想情報を提供することは一切ありません。
インターネットを使えば、ロゴマークの無断転載やリンクの掲載は誰でも簡単にできてしまうことです。
JRAの関係団体を名乗っていても、競馬の予想情報を売りつけてくるような業者を安易に信用してはいけません。
「絶対に当たる」などの勧誘文句で高額の情報料を請求する
単なる予想情報を提供するのではなく、「八百長レースがあるので、絶対当たる」などとメール等で勧誘してくる手口もあります。
この手口を使う業者も、相手を信用させるために「○○騎手会」「○○馬主会」「○○調教師会」など、JRAの関係団体であるかのような団体名を名乗ることが多いものです。
しかし、八百長や出来レースは競馬法で禁止されていて重い刑罰もあるので、正規の団体がそのような情報を持ちかけてくるはずがありません。
無料サービスから有料の会員登録へ誘導する
競馬予想サイトは数多く開設されており、多くのサイトでは無料の予想情報が掲載されています。
ただ、無料で公開される情報は誰でも容易に予想できるような手堅いものに限られ、高配当が得られる予想を見るためには有料の会員サービスへの登録が必要とされるのが一般的です。情報商材の購入を勧められるケースもあります。
この手法をとる業者の全てが詐欺だというわけではありませんが、料金が高額であるにもかかわらず根拠のない予想情報を提供する業者は詐欺です。
返金保証を謳って契約を促す
競馬の予想情報に興味はあっても、料金が高額だと契約を渋るユーザーが多いものです。詐欺業者は、そんなユーザーに対して「外れても全額返金保証があるので安心です」と謳い、契約を促します。
しかし、実際には予想が外れても様々な理由で返金に応じず、ユーザーからのクレームが繰り返されると連絡を絶ち、姿をくらます悪質業者が少なくありません。
また、返金に応じるとしても、そのサイト内でのみ使えるポイントでの返金としている悪質業者も多いです。
返金の名目でポイントを付与した後、業者はさらに有料情報の購入を迫り、そのポイントを使用させます。ですので、実質的には返金保証などあってないに等しいものです。
そもそも、優良な競馬予想サイトでは、返金保証は初回購入の1回のみなどと限定されているのが一般的です。
返金保証を過度に強調して契約を迫るのは、悪質業者の手口です。
サクラを使って有料情報を売りさばく
悪質業者は、有料情報の販売を促進するためにサクラを使うこともあります。
サクラがその業者のサービスを絶賛する虚偽の口コミを投稿したり、SNSを使って不特定多数の人に勧誘を仕掛けたりする手口がよく見受けられます。アフィリエイターを使って高額の情報商材を売りさばくケースもよくあります。
このようにして悪質業者の宣伝をするサクラの中には、競馬の経験も興味もない人も少なくありません。そのため、内容をよく読めば不自然な点があり、悪質な宣伝であることに気付けることもあります。
競馬予想詐欺によくある特徴と詐欺業者の見分け方
競馬予想会社の全てが詐欺ではないというのが悩ましいところですが、詐欺業者には以下のような特徴があります。
契約前にしっかりと確認することにより、高い確率で詐欺業者を見分けることが可能となります。
過剰な勧誘文句に要注意
詐欺業者は広告や宣伝において、過剰な勧誘文句を使うことが多いという顕著な特徴があります。様々な勧誘文句が用いられますが、一例として以下のようなものがあります。
- 絶対に的中する
- あらかじめ結果がわかっているレースがある
- 馬券生活を手に入れよう
- 競馬で年収1億円も夢ではない
合法的な競馬予想は、あくまでも「予想」なので絶対に的中するとはいえませんし、的中したとしても上記のような劇的な成果など得られるはずがありません。
競馬という結果が不確実な事柄について、断定的な表現や虚偽の表現を広告や宣伝に用いることは、法律で禁止されています。
したがって、勧誘文句を見るだけでも、ある程度は詐欺かどうかを見分けることが可能です。
的中実績に根拠があるか
競馬予想会社のホームページやセールスレターなどには、予想を当てた実績や的中率などが掲載されていることが多いですが、明らかに虚偽と思われるものもあります。
本当の実績だったとしても、1点数千円で購入しなければ表示されている金額にはならないなど、一般のユーザーには真似できないようなデータであることも少なくありません。
虚偽の実績や誇大広告を完璧に見破ることは難しいですが、高すぎる的中実績には警戒すべきでしょう。
競馬予想の手法に根拠があるか
特定の競馬予想会社に興味を持ったときは、その業者がどのような手法で予想しているのかも確認すべきです。
客観的に信用できるデータなどを提示した説明がない場合は、詐欺である可能性が高いです。
詐欺業者は客観的な根拠がなくても言葉巧みなセールストークを展開するため、素人が予想手法の真偽を見抜くのは難しいこともあるかもしれません。
それでも最低限、どのようなデータに基づいて予想をしているのかという根拠については確認すべきです。
返金保証の条件や内容が説明されているか
競馬の予想詐欺の手口として、先ほど、返金保証を謳っておきながら実際には返金しないことが多いことをご説明しました。
したがって、契約前に返金保証の条件や内容まで確認しておくことが重要です。
詐欺業者のホームページやセールスレターでは、この説明がないか、あっても曖昧でわかりにくくなっていることが多いので注意が必要です。
なお、優良な競馬予想会社の場合は、例えば以下のような条件・内容がわかりやすく明示されているはずです。
- 初回購入1回のみの返金保証であること
- サイト内でのみ使えるポイントによる返金となること
料金等の振込先が個人名義の口座でないか
見落としがちな点ですが、競馬予想会社が法人名を名乗っているにもかかわらず、料金等の振込先の口座が個人名義となっている場合は詐欺である可能性が高いです。
詐欺業者は会社の実体がないのに架空の会社名をかたっていることが多く、法人名義の銀行口座を作れないため、やむを得ず個人名義の銀行口座を振込先として指定しているのです。
この手口は、FXや株式などの投資詐欺でもよく用いられています。
サイト上に運営者の情報が掲載されているか
個人でも法人でも、通信販売等を営む事業者はホームページなどに氏名(名称)・住所・所在地などの運営者情報を掲載しなければならないことが特定商取引法で義務付けられています。
運営者情報を掲載していない業者は、それだけで怪しいといえます。
もっとも、詐欺業者は架空の運営者情報を掲載することで、正規の業者であるかのように装っていることもあります。以下の場合は詐欺の可能性が高いので、手を出さないようにしましょう。
- 架空の会社名が記載されている
- 住所が途中までしか記載されていない(番地やビル名まで記載されていない)
- 連絡先が携帯電話の番号やメールアドレスのみ
実在する会社であるかどうかは、社名で検索してみるほかにも、国税庁の検索サービスで確認することもできます。
【参考】:国税庁|法人番号公表サイト
サイトがいつから運営されているか
競馬予想サイトの虚偽を見抜く方法がもう一つあります。
的中実績が公表されている場合、サイト開設よりも前の実績が掲載されていれば虚偽である可能性が非常に高いといえます。
サイトの開設時期は「ドメイン」によって調べることができます。ドメインとは、サイトを開設するために必要なインターネット上の住所のようなものです。
そのサイトのURLを以下のようなチェックツールにかけることで、ドメインの取得時期がわかります。
【参考】:IP分散及びドメイン年齢チェックツール
ドメインの取得時期が1年前であるにもかかわらず、2~3年前の的中実績が掲載されていれば怪しいといえます。
実際にあった競馬予想詐欺の事例
ここでは、競馬予想詐欺の実例をいくつかご紹介します。詐欺業者の手口や被害の実態について、より具体的にご理解いただけることでしょう。
「勝ち馬を教える」という業者が逮捕されたケース
まずは、「勝ち馬を教える」とかたり現金を騙し取っていたとされる業者のメンバーが逮捕されたケースをご紹介します。
「競馬の勝ち馬の情報を教える」などとうそをついて現金を詐取したとして、警視庁は横浜市青葉区の無職の男(46)を詐欺容疑で逮捕し、14日発表した。同庁は被害者に電話をかける「かけ子」役だったとみて調べている。
捜査2課によると、男は今年1~2月、詐欺グループと共謀し、東京都葛飾区の70代男性に「勝ち馬情報がある。代理で購入するので当たったら払戻金の3割をもらう」などと電話。さらに「当たったのでお金を振り込んでほしい」とうそをついて手数料名目などで計約70万円をだまし取った疑いがある。
【引用元】:朝日新聞デジタル
この業者は、実体のない馬券購入代行業者を名乗って被害者を勧誘していました。
競馬予想の詐欺業者が逮捕された事件が報道されるのは、このケースのように組織的な犯行で多額の被害が発生しているケースが多くなっています。
「競馬の配当金を受け取れる」という業者が逮捕されたケース
次は、競馬の予想を教えるのではなく、手数料を支払うだけで競馬の配当金がもらえるとかたり現金を騙し取ったとされるケースです。
競馬の配当金がもらえるとうそを言い手数料名目で現金を詐取したとして、警視庁は19日、無職の男(35)(埼玉県ふじみ野市)、無職の男(32)(東京都豊島区)ら男4人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。逮捕は18日。
発表によると、4人は昨年4月~今年1月、競馬予想会社「ファミリー」の社員を名乗り、福岡県の70歳代男性に電話で「手数料を払えば競馬の配当金を受け取ることができる」などとうそを言い、約50回にわたり計約2200万円を銀行口座に振り込ませ、だまし取った疑い。
【引用元】:読売新聞オンライン
このケースも、組織的な犯行で逮捕・報道に至ったものと考えられます。逆にいえば、単に競馬の予想情報を売りつけるようなケースでは、警察が発動したとしても逮捕・報道にまでは至りにくいのかもしれません。
典型的な詐欺被害に遭った被害者のケース
最後に、競馬予想詐欺に騙されてしまった被害者からの声もご紹介します。
競馬予想詐欺に遭ってしまいました。競馬予想詐欺で500万円です・・・。はじめはまず5千円と言われて支払い、その後は「出来レースがあるのでとんでもない配当がつきます」「100%回収出来るのでやったほうが良い」と言われて20万円・その後はその繰り返しで気が付けば、貯金を吐き出し借金までしています。
安易にお金を払ってしまった自分を憎悪しますが、言葉巧みに時には脅しをかけお金を採取する業者を私は絶対に許せません。
【引用元】:YAHOO!JAPAN知恵袋
このように、詐欺業者に騙されてしまうと当初の被害額は少額でも、次々に情報を売りつけられて多額の被害に遭いやすいのが競馬予想詐欺の特徴です。
被害を最小限に食い止めるためにも、競馬予想会社を利用する際には冷静な判断が必要となります。
競馬予想詐欺の被害に遭ったときに自分でできる対処法
それでは、競馬予想詐欺の被害に遭ってしまったときに、どうすれば返金を受けることができるのでしょうか。まずは、自分でできる対処法からみていきましょう。
業者に対して直接返金を請求する
業者に対してクレームを述べても、通常は様々な理由で言い逃れをされ、返金を受けることはできません。
しかし、警察への通報や弁護士・司法書士に依頼して法的措置をとることも辞さないという姿勢で臨めば、返金されるケースもあります。
競馬予想会社としては、警察沙汰や法的トラブルに発展すると営業を継続できなくなる可能性が高いからです。
ただし、自分で業者と交渉した場合には、「お詫び」という名目で一部が返金されるだけのケースが多いようです。
警察に相談する
競馬予想詐欺はれっきとした犯罪なので、警察に相談することも有効な手段となります。
被害届とともに、業者とのやりとりを記録したものなどを証拠として提出すれば、警察が捜査して犯人を検挙してくれる可能性があります。
ただし、返金請求は民事の問題なので、警察はサポートしてくれません。それでも、警察の介入によって今後の被害を食い止めることは期待できます。
国民生活センター等に相談する
全国の国民生活センターや消費生活センターでは、悪質商法に関するトラブルについて無料で相談に乗ってくれます。
違法または不当な商法で被害に遭った事実が確認された場合は、センターから詐欺業者に連絡をとり、返金を促してくれることもあります。
ただし、国民生活センターや消費生活センターからの働きかけには強制力がないので、実際に返金を受けられる可能性は高くありません。
返金請求の手続きを弁護士・司法書士に依頼するメリット
競馬予想の詐欺業者に対して返金を求めるためには、弁護士または司法書士という法律の専門家に依頼することを強くおすすめします。
専門家に依頼することで得られるメリットは、以下のとおりです。
- 状況に応じて最善の解決方法を提案してもらえる
- 返金の見通しについてアドバイスが受けられる
- 返金請求に必要な証拠集めもサポートしてもらえる
- 業者の連絡先が不明な場合は、法的手段で調査してもらうことも可能
- 業者との交渉を代行してもらえる
- 裁判の複雑な手続きも全て任せることができる
弁護士・司法書士は、被害者に代わって業者と返金交渉をして、交渉がまとまらなければ裁判で返金を請求します。
法律を使って業者を徹底的に追及してくれるので、実際に返金を受けることも期待できます。
まとめ
競馬予想会社は事実無根の情報を売りつける詐欺業者ばかりではありませんが、予想である限り、確実に的中させることはできないということを忘れてはいけません。
「必ず的中」「毎週、数十万円の利益を受け取れます」といった勧誘文句を見て興味を惹かれても、それが事実であるかどうかは冷静に判断すればわかるはずです。
それでも詐欺に引っかかったときは、業者が姿をくらます前に返金させることが重要です。泣き寝入りすることなく、弁護士・司法書士の力を借りて返金を図りましょう。