副業が当たり前となってきた近年、SNS上で募集される『荷受け代行』アルバイトを通じて多額のお金を請求されたり、犯罪に巻き込まれる被害が増加しています。
被害者は主に若い世代や主婦に多く、コロナ渦で在宅ワークが増えたことをきっかけに被害が広がり話題となりました。
今回の記事では、『荷受け代行』詐欺ともいえる一連の手口や、実際の被害例、被害に遭った場合の対処について解説をしてまいります。
『荷受け代行』とは?
結論から言うと『荷受け代行』は裏で国内外の犯罪組織が関与していることが多く、関われば個人情報を悪用されて見覚えのない請求を受けたり、知らないうちに犯罪に巻き込まれてしまう恐れがあります。
『荷受け代行』のおおまかな流れとともに、詳細を見て行きましょう。
SNSで人を募集
『荷受け代行』は主にSNS上でアルバイト希望者を募っています。
『荷受け代行』で行う作業は
・受け取った荷物を転送するだけ
・家主のかわりに荷物を受け取り、後日手渡すだけ
など比較的簡単で、一度の作業で3,000円~10,000円の報酬を得られる『手軽なバイト』として紹介をされていることが多いようです。
※『荷受け代行』のほかに『荷物運び』『倉庫係』などの名目で募集をしているものも確認されています。
個人情報・銀行口座情報を求められる
こうしたアルバイト募集をしているアカウントへ連絡をしてみると「アルバイトをするには本人確認が必要」などと言われ、次のような個人情報の提示を求められます。
- 身分証明書の画像(運転免許証・保険証など)
- 電話番号
- 報酬の振込先(銀行口座)
一般的なアルバイトでも、こうした本人確認書類や給与振込口座の提示が求められることはごく普通のことですよね。
そのため、多くの被害者はなにも疑わずに詐欺師や犯罪グループに対して個人情報を送ってしまいます。
個人情報はスマートフォンの不正購入に利用される
相手方へ送った個人情報は多くの場合『スマートフォン(以下スマホ)の不正購入』に利用されます。
現代は携帯ショップに行かなくともオンラインで契約手続きが済んでしまうため、個人情報さえそろっていれば悪意のある人物が本人になりすまして不正にスマホを購入することが可能なのです。
仮に被害者のクレジットカード情報が無い場合でも、銀行口座さえわかっていれば口座振替が選べるスマホプランがありますし、端末代金の支払いは代金引換でも行うことができます。
被害者名義で不正購入されたスマートフォンは多くの場合国内外の犯罪組織に流れ、『オレオレ詐欺』をはじめとする特殊詐欺などに利用されます。
荷物の正体は『自分名義のスマートフォン』や『薬物』
被害者は事前に「受け取った荷物を開封しないこと」「内容は電子機器」などの説明を受けるため、自分が受け取った荷物の中身を知ることはありません。
しかし、実際に荷物の中に入っているのは先ほど解説した『被害者名義で不正購入されたスマートフォン』や、あるいは国外から違法に密輸された『危険薬物』などです。
被害者は何もしらずに、自分名義の携帯電話や薬物などを犯罪組織に渡してしまうこととなります。
多額の請求が来てようやく被害に気付く
被害者が事態に気づくのは、自分名義の携帯電話が悪用されたのちに、携帯事業者から請求書が届くタイミングです。
携帯電話のほかにも多数の化粧品・健康食品等が被害者名義で契約され、その請求が届く場合もあります。
実際の被害例によれば、請求額が数十万円~数百万円に及ぶこともめずらしくありません。
実際の被害例
地域コミュニティアプリに、アルバイト募集情報が掲示されていたので、応募し事業者に会った。荷物を持ち主の代わりに受け取って、荷物を回収に来た人に渡すと1回数千円の報酬が得られる荷受け代行アルバイトだった。
住所、氏名を確認する必要があると言われて免許証の提示を求められ、事業者はそれをカメラで撮影した。その後、自分宛に複数の携帯電話会社からスマートフォンが届き、また複数の通信販売会社から健康食品や化粧品が届いた。自宅に荷物を回収に来た人に荷物を渡し、荷物の数に応じて5千円から1万5千円の報酬を受け取った。自宅に荷物を回収に来る人は毎回違う人だった。
2か月後に自分宛てに請求書が届き、おかしいと気付いた。事業者の携帯電話に連絡をしたが、電話は既につながらなくなっていた。どうやら事業者が自分名義で様々な商品を購入し、代金は支払わずに商品だけ持っていったことにやっと気付いた。
携帯電話会社7社、通信販売会社20社から代金が請求されていて、総額は約100万円になる。とても払えない。引用元:『若者向け悪質商法被害防止キャンペーン 3月実施事業|最近の若者からの相談事例』東京都ホームぺージ』
携帯料金は被害者に支払う義務がある
詐欺でだまされたとはいえ、携帯事業者から届いた請求は犯罪組織が逮捕された場合を除いて、基本的には契約名義人である被害者自身が支払う義務があります。
「自分は被害者だから」と支払いをせず放置し続けた場合、いずれ口座残高不足によってクレジットカード会社への支払いが滞り『信用情報機関(CIC)』のリストにあなたの滞納履歴が登録されることとなります。
(※信用情報機関:各クレジットカード会社等が参考にする『ブラックリスト』のようなもので、登録されると将来的にローンが組めなくなったり、クレジットカードを使う契約ができなくなります。)
銀行の口座振替が可能なプランで契約をした場合は信用情報機関に登録されることはありませんが、その場合も携帯事業者より委託を受けた『債権回収会社』等から支払い督促の連絡が届くようになるでしょう。
それでも放置した場合は『遅延損害金』により債務が膨らみ続け、最終的に民事裁判に発展して財産の差し押さえ等に至る可能性もあります。
「自分も被害者の立場なのに」と理不尽に感じてしまうかもしれませんが、支払わずにいても状況はどんどん悪くなる一方です。自分自身のためにもしっかりと対応をしましょう。
『荷受け代行』で逮捕に至ったケースも
また『荷受け代行』を行ったことで、最終的に被害者自身が逮捕されてしまうというケースも存在します。
前述の被害者名義の携帯電話が犯罪に使用されていたことが明るみになれば被疑者の一人とみなされる場合もありますし
中には犯罪に巻き込まれていることに気が付いても、すでに渡してある個人情報から『会社に言う』『家族に危害を加える』など脅されてやめられなくなったり、不正を知りながらも報酬のために『荷受け代行』を繰り返した結果、犯罪グループと一緒に逮捕されてしまったという例もあります。参考元:『「楽に稼げる」荷受け代行バイト、逮捕される可能性も…犯罪グループに都合よく利用されるだけ』(令和6年7月取得)
『荷受け代行』でトラブルになった場合は
『荷受け代行』に関与してトラブルになった場合や、被害はないものの過去に『荷受け代行』を行った場合はすぐに消費者センターか警察へ相談をしてください。
先ほどもお伝えしたように、第三者へ手渡したスマホがすでに犯罪等に使用されている場合は後々になってあなた自身が『共犯者』として逮捕される可能性があります。
後々犯罪グループと一緒に逮捕されるのと、早い段階で自ら相談に赴くのとでは後者のほうが罪が軽くなる場合もありますし、なによりこれ以上被害を大きくしないためにも早めに専門機関へ相談しましょう。
各都道府県の『消費生活センター』へ相談するなら
警察相談専用電話はこちら
電話番号:#9110
相談料:無料
ホームページ:警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ
※通話発信地を管轄する各都道府県警察本部等の総合窓口に直接つながります。
※土日祝日及び夜間は、「当直」又は「音声案内」等により対応
被害金を取り戻したいなら
消費者センターや警察では被害の拡大防止などのアドバイスはもらえるものの、被害金の返金対応まではサポートしてはもらえません。
被害金を取り戻したい場合や勝手に交わされた契約を無効にしたい場合、携帯事業者からの請求額が払えない場合などは、法的手段をとって対策をする必要があります。
弁護士・司法書士なら専門的なアドバイスも
「携帯事業者から督促が届いた」「そもそも請求額の支払いができない」「刑事事件として取り調べを受けることになった」など、トラブルが起きた場合に頼りになるのが弁護士・司法書士です。
請求額の支払いができない場合の『債務整理』『自己破産』の手伝いはもちろんですが、法の専門家である弁護士・司法書士はそもそもの支払い義務を免除にする『消滅時効の援用』といった難易度の高い対処法についてもアドバイスが可能です。
また、そもそも被害者名義で交わされた契約が第三者によって行われたことを法的に証明できる場合には、携帯事業者に対して『契約無効の主張』をすることも不可能ではありません。
ひとりでは難しいものの、弁護士・司法書士のサポートがあればこうした法的手段を通じた交渉もできるようになりますので、ぜひ一度ご相談をしてみてください。
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まとめ
リアルタイムの情報を大量に得られるSNSは、利便性が高い一方で『個人間のやり取りが人目につかない』ことから悪用もされやすいコミュニケーションツールです。
面識の無い人物の誘いに乗ったことで、知らず知らずのうちに「被害者から加害者になってしまう」可能性は決してゼロではありません。
最近は政府方針の後押しがあって副業や投資に対する前向きな風潮が目立っていますが、うまい話には裏があることには十分気を付けるようしてください。