「モンハン」や「ストリートファイター」で知られるカプコンが、会員サービス「CAPCOM ID」への不正アクセスを発表しました。漏れたのは主にメールアドレスですが、それだけではありません。
一部のアカウントでは、第三者にパスワードを勝手に書き換えられ、さらにその一部では、通販サイト「イーカプコン」に入られて、氏名・住所・電話番号・購入履歴まで見られていました。
この記事では、漏れた情報が人によってどう違うのか、漏れたログインの記録がどう悪用されるのか、そしてCAPCOM IDを持っている人が今すぐやるべきことを、くわしく解説してまいります。
この記事のポイント
- CAPCOM IDから、全世界の利用者のメールアドレス、アカウントの作成日時、最終ログイン日時、ログイン回数、最終ログインのIPアドレスが流出
- 一部のアカウントでは、パスワードを勝手に書き換えられた。カプコンはリセット済み
- そのうちの一部は、「イーカプコン」のマイページに入られ、氏名・住所・電話番号・購入履歴などが漏れた(いずれも日本のアカウント)
- パスワードとクレジットカード情報は、漏れていないとされている
- 漏れたログインの記録を使った「不正ログインを検知しました」といった偽メールに注意。二要素認証をオンにしておく
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何が起きたのか
| 10月19日 | カプコンが不審なアクセスに気づき、遮断。不正アクセスを確認 |
|---|---|
| 10月20日 | 社内に対策本部をつくり、お客様の情報が見られていたことと、一部のアカウントのパスワードが書き換えられていたことを確認 |
| 10月21日 | 大阪府警と個人情報保護委員会に報告 |
| 10月22日 | 第1報。全世界の合計で11,774,247件の情報が漏れたと発表 |
| 10月23日 | 第2報。パスワードを書き換えられたアカウントのうち19件で、イーカプコンの氏名・住所・購入履歴などが漏れたと発表。影響範囲の調査は完了 |
カプコンは、攻撃の手口を特定して必要な対策を済ませたとしています。CAPCOM IDを使うゲームやサービスは、これまでどおり使えます。ただし、どうやって入り込まれたのかは公表されていません。
CAPCOM IDとは?自分は対象?
CAPCOM IDは、カプコンのWebサービスや一部のオンラインゲーム、通販サイト「イーカプコン」などで共通に使うアカウントです。ゲームの特典の受け取りや、公式サイトのサービスを使うために作った人も多いはずです。
対象になった人には、カプコンから順番に個別の連絡が届きます。ただ、件数が全世界で1,000万件を超えるため、CAPCOM IDを作ったことがある人は、対象になっているつもりで備えておくのが安全です。昔に作って使っていないアカウントも、忘れずに確かめてください。
漏れた情報は、人によって3つに分かれる
今回の漏洩は、全員が同じ情報を漏らされたわけではありません。どの範囲に入るかで、漏れた情報と危険の大きさが違います。

| 対象の人すべて | メールアドレス、アカウントの作成日時、最終ログイン日時、ログイン回数、最終ログインのIPアドレス(全世界で11,774,247件) |
|---|---|
| ごく一部の人 | 上に加えて、生年月日、性別、国・地域、ニックネーム(43件) |
| パスワードを書き換えられた人 | 第三者にログインのパスワードを勝手に変えられた(196件)。カプコンがリセット済み |
| イーカプコンに入られた人 | パスワードを書き換えられた人のうち、イーカプコンのマイページに入られた人。氏名、氏名のカナ、電話番号、郵便番号、住所、性別、生年月日、購入履歴、問い合わせ履歴、会員アドレス帳(19件、すべて日本のアカウント) |
漏れていないとされるもの
- 利用者が自分で設定したパスワード
- クレジットカード情報
「パスワードを書き換えられた」とはどういうこと?
パスワードが書き換えられたということは、第三者がそのアカウントを操作できる状態になり、本人が入れないようにされたということです。実際に、一部のアカウントではイーカプコンのマイページまで見られていました。今回の漏洩の中で、いちばん深刻な被害です。
カプコンは、利用者のパスワードそのものが漏れたことは確認されていないとしています。どうやってログインされたのかは、公表されていません。
一般に、パスワードが漏れていないのにログインされる原因として多いのは、ほかのサービスから漏れたIDとパスワードの組み合わせを、片っ端から試す攻撃です。CAPCOM IDに、ほかのゲームや通販サイトと同じパスワードを使っている人は、今回の件に関係なく、狙われやすい状態です。
メールアドレスだけでも危ない理由|ログインの記録が偽メールを本物らしくする
「漏れたのはメールアドレスだけなら、たいしたことはない」と思うかもしれません。しかし今回は、最終ログイン日時、ログイン回数、IPアドレスまで、メールアドレスとセットで漏れています。
詐欺グループは、この記録を使って、「前回のログイン:10月◯日 21時04分」のように、自分の記憶と合う日時を書いた偽メールを作れます。本物の記録と合っていると、「本当にカプコンから来たメールだ」と信じてしまいやすくなります。

届くおそれがある詐欺メール・SMS
- 「不審なログインを検知しました」:本物のログイン日時やIPアドレスを書き、偽のログイン画面でIDやパスワード、確認コードを入力させるもの
- 「パスワードの再設定が必要です」:今回のリセットに便乗して、偽のページで新しいパスワードを入力させるもの
- 「情報漏洩のお詫びとして、ゲーム内アイテム・ギフトコードを差し上げます」:お詫びを装い、ログインやカード情報の入力をさせるもの
- 「イーカプコンのご注文について確認があります」:通販の注文やお届け先の確認を装うもの
イーカプコンに入られた人は、電話番号と住所も漏れています。カプコンは、SMSや電話で連絡してくる詐欺にも注意するよう呼びかけています。
本物のカプコンからの連絡と見分けるポイント
メールのリンクからはログインしない
カプコンからも、対象者に個別の連絡が届きます。本物と偽物が同じ時期に届くので、見た目では区別できないと考えてください。内容を確かめるときは、メールのリンクを使わず、検索やブックマークから自分で開いたCAPCOM IDの公式サイトでログインしましょう。
パスワードやカード番号の入力を求めるものは疑う
カプコンは、不審なメールのURLを開いたり、添付ファイルを開いたりしないよう呼びかけています。「お詫びのアイテムを受け取るために、カード情報を入力してください」といった流れになったら、詐欺を疑ってください。
迷ったら、専用の窓口に電話で確かめる
日本の利用者向けに、専用の窓口が用意されています(0120-801-271、10時〜20時)。メールに書かれた電話番号ではなく、この番号にかけてください。
CAPCOM IDを持っている人が今すぐやること

1. 二要素認証をオンにする
CAPCOM IDには、ログインのときにスマホの認証アプリの確認コードを使う「二要素認証」があります。CAPCOM IDの公式サイトにログインし、マイページから設定できます。パスワードを知られても、確認コードがなければ入られないので、今回のような乗っ取りを防ぐのにいちばん効果があります。
設定のときに表示される「リカバリーコード」は、スマホをなくしたときにログインするために必要です。紙に書くなどして、なくさないように保管してください。
2. パスワードを、CAPCOM ID専用のものに変える
カプコンは、利用者のパスワードは漏れていないとしています。それでも、ほかのサービスと同じパスワードを使っている場合は、この機会にCAPCOM IDだけで使うものに変えてください。
3. 同じパスワードを使っているサービスも変える
CAPCOM IDと同じパスワードを、ほかのゲームや通販、メールで使っている場合は、そちらもすべて変更しましょう。
4. イーカプコンを使っている人は、注文履歴とお届け先を見る
イーカプコンのマイページで、身に覚えのない注文や、知らない住所が登録されていないかを確かめてください。おかしな点があれば、すぐに専用の窓口に連絡しましょう。
5. ログインできない人は、すぐに窓口へ
パスワードを書き換えられたアカウントは、カプコンがリセットしています。「いつものパスワードで入れない」という人は、自分で何度も試さず、専用の窓口に問い合わせてください。
情報を入力してしまった・被害にあった場合は?
- 偽のページにIDやパスワードを入力した場合は、すぐに本物のサイトでパスワードを変更し、二要素認証をオンにする。同じパスワードを使っているほかのサービスも変更する
- カード情報を入力した場合は、すぐにカード会社に連絡して、カードの利用を止めてもらう
- カードの利用明細を確認し、身に覚えのない請求がないか確かめる
- お金を払ってしまった場合は、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署に相談する
まとめ
- CAPCOM IDへの不正アクセスで、メールアドレス、ログインの日時・回数、IPアドレスが流出した
- 一部のアカウントはパスワードを書き換えられ、そのうちの一部はイーカプコンの氏名・住所・購入履歴まで漏れた
- パスワードとクレジットカード情報は、漏れていないとされている
- 漏れたログインの記録を使うと、本物らしい「不正ログインを検知」の偽メールが作れる。メールのリンクからはログインしない
- 二要素認証をオンにし、CAPCOM ID専用のパスワードに変える。使い回しているサービスも変更する
- 迷ったら、専用の窓口(0120-801-271、10時〜20時)に確かめる
相談・報告先
- カプコンの専用窓口:0120-801-271(10時〜20時)
- 警察相談専用電話「#9110」:詐欺かどうか不安なとき、被害に遭ったかもしれないときに相談できます。
- 消費者ホットライン「188」:最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。
- フィッシング対策協議会:迷惑メールフォルダーに入らずに届いたフィッシングメールは、リンクをクリックせずに info@antiphishing.jp へ転送して報告できます。
参考
- カプコン「不正アクセスによるお客様情報漏えいのお詫びとお知らせ」(2026年10月22日)
- カプコン 第2報(2026年10月23日)
- ITmedia NEWS:カプコン、1177万件漏えい
- ASCII.jp:カプコン、1177万件超の顧客情報漏えい
- Game Spark:イーカプコンの情報漏えい(第2報)
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