- SNSを悪用して様々な詐欺が行われている
- SNSで安易にプライバシーを公開することには危険性がある
- ネット詐欺に関する知識を持つとSNS詐欺を避けることに役立つ
- 被害に遭ったとき、返金を受けるには弁護士・司法書士への依頼が有効である
SNSはインターネットで手軽に人と交流することができる便利なものです。日頃からSNSを頻繁に利用している方も多いのではないでしょうか。
しかし、このSNSを悪用して詐欺が行われることもあり、実際に数多くの人々が様々な被害に遭っています。
SNS詐欺の被害を回避するためには、どのような詐欺が行われているのかを知ることが欠かせません。
そこでこの記事では、SNS詐欺の種類と手口、詐欺に遭わないための注意点から、万が一被害に遭ったときに返金を受ける方法までをわかりやすく解説していきます。
SNS詐欺とは
SNS詐欺とは、TwitterやLINE、Facebook、InstagramなどのSNSを悪用して行われる詐欺行為の総称です。
SNSでは世界中の人とつながることができるため、悪質な人とつながる可能性が常にあります。かつ、匿名で利用できるものが主流であるため、詐欺師にとっても詐欺行為をはたらきやすい環境となっています。
詐欺師は、人との交流を促進するというSNSの特性を逆手に取り、ターゲットと顔を合わせることなくお金を騙し取ろうとするのです。
SNS詐欺の種類と手口
SNSを悪用した詐欺には、様々な種類があります。以下で、主なSNS詐欺の種類について、それぞれの手口と併せてご紹介します。
なりすまし詐欺
SNSに特有の詐欺として「なりすまし詐欺」というものがあります。
実在する人の氏名や画像を勝手に使用して偽のアカウントを作成し、本人になりすまして友人・知人などに金銭を要求するというのが典型的な手口です。
偽のアカウントは作ろうと思えばいとも簡単に作れてしまいます。以前から芸能人の偽アカウントが作成される事例はよくありましたが、最近は一般人でもSNSに自分の画像を掲載している人が少なくないため、なりすまし詐欺に遭うケースが増えています。
【出典】:YAHOO!JAPANニュース
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、大手のショッピングサイトや金融機関の公式サイトなどに酷似した偽のサイトにユーザーを誘導し、ログイン情報や氏名、クレジットカードなどの重要な情報を入力させる手口の詐欺です。
詐欺師はこのようにして取得した情報を悪用してネットバンクから出金したり、クレジットカード決済で商品を購入したりします。被害者は気付かないうちに多額の金銭を盗み取られることになります。
従来、フィッシング詐欺はメールやSMSで行われるケースが主流でしたが、最近ではSNSでのメッセージや広告などを通じて行われるケースも増えてきています。
【出典】:Twitter
チケット詐欺
チケット詐欺とは、SNS上の個人間取引を装い、コンサートやライブ、スポーツ観戦等のチケットを「売ります」という情報を流し、代金だけ受け取ってチケットは送付しないという手口の詐欺です。
以前からオークションサイトやインターネット上の掲示板などで被害事例が見受けられましたが、SNSが普及するにつれて被害に遭う人が増加しています。
【出典】:Twitter
出会い系詐欺
SNS上で魅力的な人物になりすましたアカウントを作成して異性にアプローチし、相手の恋愛感情を利用してさまざまな口実で金銭を騙し取る手口のことを、SNSにおける「出会い系詐欺」といいます。
今ではSNSでの出会いが恋愛・結婚に発展することも珍しくなく、異性との出会いを期待してSNSを利用している人も少なくありません。出会い系詐欺は、そんなユーザーの心理を巧みに利用した詐欺であるといえます。
出会い系詐欺って。。。
最近仲よくしている彼がいます。
SNSからメッセージが届いて、最初は彼の相談を聞いているだけでした。
彼の会社の経営(自営業のため)が上手くいってない事や従業員とコミュニケーションやら、色々と。。。
そんな矢先、経営があやしくなり30万貸してくれと言われました。ちゃんと借りたものは返すと約束してくれたし、
それで彼が助かるならと、思いあげるつもりで今回は彼に出しました。
だんだんと、日にちがたつにつれて会社の経営が思わしくなく 会えない時間が増え食事をする際もデート代を負担するようになりました。食事だけならと頑張っていのですが、わたしもただのOL。そんなに稼ぎがあるわけではありません。
出せない私に彼の態度が時々悪くなり、冷たい一面も出てきました。仕事でイライラしているのもあるんだと思い聞かせ、接していたのですが先日 80万貸してくれと泣きつかれました。
会社でのトラブルでどうしても必要なんだと。。。ここまでお前に迷惑をかけた、ちゃんと幸せにするから結婚しようと言われました。
そんな彼の気持ちを理解し貸してしまいました。彼から 事情があって身をひそめなくちゃいけないから、当分は連絡できなくなるからごめんねと言われました。
それから、連絡が無くなりこれって もしかして詐欺なんじゃないかと。。。
まだ 彼の会社には連絡などはしていないので、、、大きな事にはしたくはないし。【引用元】:YAHOO!JAPAN知恵袋
当選・支援金詐欺
当選・支援金詐欺とは、「抽選に当たった」「プレゼントを受け取れます」といったメッセージが突然送られてきて、当選品を受け取るための手数料の名目で金銭を騙し取られたり、手続きやアンケートを装って個人情報を盗み取るという手口の詐欺です。
従来は、もっぱらメールやSMSを利用して行われていた手口ですが、最近でSNSで行われるケースが増えています。
特に、有名な企業のTwitterアカウントを偽装し、プレゼント企画を装った手口にひっかかり、被害に遭うケースが多発しています。
【出典】:Twitter
副業詐欺
副業詐欺とは、「誰でも確実に稼げる」「1日○分で月○○万円儲かる」などの謳い文句で副業に勧誘し、稼ぐために必要な情報商材やツールを高額で売りつけるなどして金銭を騙し取るという詐欺です。
この手口も、SNSのメッセージや広告を利用して多々行われています。副業への勧誘の全てが詐欺だというわけではありませんが、実際に収益が出る前から高額の金銭を要求された場合は詐欺を疑うべきです。
Twitterで副業詐欺されました、、、
家に届かない購入代行というもので、最大月180万稼げるものです。実績?もあるようですが悪用のようです。
支払い方法はメルカリで、被害額は少ないですが9000円です。
支払い後、Twitterの垢消しとブロックをされてしまい、仕事を始めることも対応もして貰ってないです。
この場合相手を訴えたり返金してもらったりすることは出来るのでしょうか?【引用元】:YAHOO!JAPAN知恵袋
投資詐欺
投資詐欺とは、「確実に儲かる」「元本保証」などの謳い文句でFXやトレードなどの投資に勧誘され、投資資金を騙し取ったり、高額の情報商材やツールなどを売りつけたりする詐欺です。
近年、急増している詐欺の一つです。SNSでの出会いを装い、「自分も儲けているから教えてあげたい」「2人の将来のためにお金を増やそう」などと持ちかけて相手の恋愛感情を利用し、投資資金を持ち逃げするといったケースが目立っています。
3月下旬頃にTwitterで自称台湾人女性と知り合い、LINEを交換して仲良くなったのですが、投資で儲かる話をしてきました。叔父が金融の教授でウォールストリートで20年の経験があり、叔父の指示に従えば、金のCFDで大きな利益が得られる、そしてロシアとウクライナが戦争をしてる限りはそれが続くと言っていました。試しに私の口座でやってみないかと言われて、FXツールのMT5をインストールしてやってみたら、ウソのように儲かりました。後で気付いたのですが、過去のチャート垂れ流してました。私は彼女を信じて、FSDSというサイトに口座を開設して仮想通貨を送金してしまいました。深夜に出金しようと思い、出金申請をした途端に、彼女からLINEが来たので詐欺と確信しました。
【引用元】:YAHOO!JAPAN知恵袋
SNS詐欺に遭わないための注意点
各SNSの運営会社も詐欺に対して警戒を強めてはいますが、詐欺の手口は巧妙化し続けている上に、次々と新たな手口が生み出されているため、対策が間に合わないのが実情です。
そのため、SNS詐欺の被害を回避するためには、ユーザー側で以下の点に注意することが重要となります。
個人情報を安易に公開しない
まず、自分の個人情報を安易に公開しないようにしましょう。個人情報が流出すると、詐欺師に悪用されるおそれがあります。
実名・顔出しでFacebookを利用している人も多いですが、それだけでもなりすましの被害に遭う可能性があることは知っておいた方がよいでしょう。
何気ない投稿や、友人との気軽なメッセージのやりとりにおいても、個人情報が含まれていないか十分に注意する必要があります。
プライバシー設定にもよりますが、インターネットに書き込んだことは世界中の人に見られる可能性があることを常に意識すべきです。
位置情報の流出にも注意する
スマートフォンなどで位置情報の機能をオンにしたまま撮影した写真には、撮影日時、撮影した場所の位置情報、端末の機種名などの情報が一緒に保存されます。
TwitterやFacebook、Instagram、LINEなどの主要なSNSでは、写真がアップロードされる際に位置情報が自動で削除されるため、気にする必要はありません。
しかし、ブログや掲示板などプラットフォームの種類によっては位置情報も一緒にアップロードされることがあるため、見知らぬ他人に自分の居場所や自宅の住所などを知られてしまうおそれがあります。
また、位置情報が削除されていたとしても、写真の背景などから居場所や住所を割り出されてしまうケースもあります。
写真の内容にもプライバシー情報が含まれる可能性があること意識して、投稿前にしっかりと確認する必要があります。
不審なリンクや広告を安易に開かない
SNSではダイレクトメッセージで様々なリンクが送られてくることがありますし、広告も数多く貼られています。これらのリンクや広告の中には、詐欺師が仕込んだ罠も少なくないので、安易に開いてはいけません。
興味のないリンクや広告には、そもそも手を出すべきではありません。興味を持った場合は、それを開くのではなく、大元の情報提供者のサイト(企業の公式サイトなど)を検索し、そこからアクセスするようにしましょう。
たとえ家族や友人・知人が投稿したメッセージであっても、その人たちも騙されている可能性がありますし、なりすましの可能性があるのですから、SNS上のリンクや広告は基本的に警戒してかかる方が無難といえます。
プライバシー設定を適切に
SNSには、自分のプロフィールや投稿をどの範囲の人たちにまで公開するかを設定できる機能があります。
公開範囲が広ければ広いほど、数多くの人に情報を見られることになるので、詐欺に遭う確率も高まることは否定できません。
特に必要がなければ、公開範囲は友だち限定などに絞った方がよいでしょう。
アカウント管理は厳重に
インターネットを利用する際には、様々なプラットフォームごとにログインIDやパスワードを設定しなければなりません。
同じIDやパスワードを使い回しているとSNSなどを乗っ取られる原因となりかねませんので、面倒でもプラットフォームごとに異なるID・パスワードを設定しましょう。
そして、設定したID・パスワードは流出しないよう、オフライン状態で保存できる場所で管理することも大切です。
うまい話はないと心得る
「リツイートするだけでプレゼントがもらえる」
「簡単に稼げる副業がある」
「投資で確実に儲ける方法がある」
このようなことを面と向かって言われても鵜呑みにする人は少ないでしょう。しかし、ネットで見知らぬ人から「あなただけに」「今だけ」などの前置きをつけて伝えられると、つい信じてしまう人も少なくありません。
しかし、ネットの世界でも現実世界と同様、うまい話はないということを心にとどめておくべきです。
ネット詐欺に関する知識をつける
実は、ネット詐欺に関する幅広い知識を持っていれば、ほとんどの詐欺情報について、見た瞬間に怪しいと気付けるものです。
まずは、SNSに限らずネットの世界には詐欺師が少なからず紛れ込んでいるという認識を強く持ちましょう。
そして、本サイトの他の記事も参考にして、ネット詐欺に関する知識を深めていかれることをおすすめします。
SNS詐欺に遭ったときの対処法
SNSを利用していれば、注意していても巧妙な詐欺の手口に引っかかってしまうことがないとは言い切れません。
そこで次に、SNS詐欺の被害に遭ってしまったときにやるべきことをご説明します。
なりすまし被害に遭った場合
SNSで誰かがあなたになりすまし、勝手にコメントやメッセージ、動画像を投稿されている場合は、早急にその行為を止めさせる必要があります。
対処法としては、そのSNSの運営会社に通報することです。本人確認をしてなりすましの事実が確認すると、偽アカウントは停止・削除されます。
投稿の内容によっては犯罪に該当することもあるので、悪質と考えられる場合には、そのアカウントの画面を保存するか印刷して証拠化し、警察に相談しましょう。
ログイン情報を知られてしまった場合
SNSのアカウントを乗っ取られた場合など、ログイン情報を他者に知られてしまったことがわかったときは、直ちにそのアカウントのIDとパスワードを変更しましょう。その後の不正アクセスは止めることができます。
そして、他のSNSやショッピングサイト、ネットバンキングなどで不正利用されていないかを確認することが大切です。
もし、不正利用の痕跡が見られる場合は、すぐ運営会社の相談窓口に問い合わせ、被害を申告しましょう。
クレジットカード情報を知られてしまった場合
フィッシング詐欺などでクレジットカード情報を他者に知られてしまった場合は、ただちにカード会社に連絡して利用停止を申し出ましょう。
身に覚えのない利用があった場合も、カード会社に申し出てください。不正利用の事実が確認されると、チャージバックという制度により返金を受けることができます。
お金を支払ってしまった場合
詐欺師にお金を支払ってしまった場合は、まず、それ以上はお金を騙し取られないようにする必要があります。
SNSではその詐欺師からのアクセスをブロックし、電話番号やメールアドレスを知られている場合は着信拒否の設定をしましょう。
そして、奪われたお金を取り戻すためには、次項の解説をお読みください。
SNS詐欺で金銭的被害に遭ったときに返金してもらう方法
SNS詐欺でお金を騙し取られたときは、返金を請求する方法がいくつかあります。
クーリングオフをする
詐欺師に騙されて情報商材や副業・投資などに使用するツールなどを購入させられた場合は、クーリングオフできる可能性があります。
クーリングオフとは、契約から8日以内であれば消費者(購入者)が無条件で契約を解除できる制度のことです。
クーリングオフが認められると契約がなかったことになるので、返金を受けることができます。
クレジットカード会社に相談する
詐欺師から勧められた取引でクレジット決済を利用した場合は、すぐカード会社に連絡してください。代金が支払われる前であれば、取引を取り消して返金してもらうことが可能です。
代金が支払われた後でも、不正利用の事実が確認されると保険の適用やチャージバックシステムによって返金を受けられる可能性があるので、諦めずにカード会社に連絡しましょう。
銀行口座凍結の手続きをする
詐欺師から勧められた取引で銀行振込を利用した場合は、振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結の手続きで返金を受けられる可能性があります。
手順としては、まず警察に被害届を提出し、それから振込先の金融機関にも連絡することが必要です。
振込先の口座に預金が残っていなければ返金が受けられないので、早急に手続きを行うことが大切です。
詐欺師と交渉する
詐欺師と連絡が取れる場合は、直接返金を請求し、交渉してみましょう。
もちろん、交渉によって容易に返金されるケースは多くありません。しかし、少数ながら素直に交渉に応じる詐欺師もいます。
泣き寝入りせず、返金を求めていくべきです。
裁判で返金を請求する
詐欺師が交渉に応じない場合は、裁判で返金を請求するしかありません。
民事裁判で詐欺行為を立証できれば、判決で詐欺師に対して返金が命じられ、強制的に返金してもらうことが可能となります。
SNS詐欺のトラブルは弁護士・司法書士に相談を
SNS詐欺の被害に遭ったときは、早急に弁護士または司法書士という法律の専門家に相談することを強くおすすめします。
専門家に相談することで得られるメリットは以下のとおりです。
- 状況に応じて最適な解決方法をアドバイスしてもらえる
- 返金の見通しがわかる
- クーリングオフや刑事告訴、銀行口座凍結などの手続きを依頼することも可能
- 法的手段を使って詐欺師の住所・氏名を突き止めてもらうこともできる
- 詐欺師との交渉を代わりに行ってもらえる
- 裁判手続きも全て任せることができる
専門的な法律の知識とノウハウを駆使して的確に対応してもらえるので、やみくもに対処するよりも返金を受けられる可能性が格段に高まるはずです。
まとめ
SNSで詐欺が行われていることを知ってはいても、「自分が騙されるはずがない」と思っていると、思わぬところで詐欺に引っかかってしまうこともあるものです。
ネットの世界では、交流している相手がどんな人物であるのかがわからないことが多いので、最低限の警戒心は常に持っておくべきでしょう。
もし、SNS詐欺のトラブルに巻き込まれたときは、弁護士・司法書士の力を借りて、的確に対処していきましょう。