SNS等から「副業を紹介する」などと謳って応募してきた人からお金をだまし取る副業詐欺が増加しています。
中でもこの2年ほどで増えてきたのが、「1日5分作業するだけ」「いいねを送るだけ」といった『タスク型詐欺』と呼ばれるものです。
副業初心者でも気軽に収入を得られそうなイメージを持たせて段階的にお金をだまし取る『タスク型詐欺』では特に若い世代や主婦層がターゲットにされることが多く、中には500万円以上をだまし取られた被害も確認されています。
今回はそんな『タスク型詐欺』について、手口の特徴や被害に遭った場合の対処について、実際の被害例と共に解説してまいります。
『タスク型詐欺』とは?
『タスク型詐欺』は「簡単なタスクをこなせば報酬を受け取ることが出来る」「誰でも稼げる」といったうたい文句で副業に興味のある人を集め、最終的にはお金をだまし取る副業詐欺の一種です。
『タスク型詐欺』ではお金をだまし取られるまでにいくつかの段階があり、初期段階において提示される『タスク』は「スマホのスクリーンショットを送るだけ」「テキストのコピーペーストをするだけ」などの非常に簡単な作業です。
タスクをこなせばきちんと報酬を受け取れることから被害者も安心して次々とタスクに取り組むようになりますが、続けていくうちに詐欺師から単価が倍以上になる『スペシャルタスク』『福利厚生タスク』や、指示通り取引を行うだけの『投資グループ』などに誘われるようになります。
もちろん、そうした『スペシャルタスク』や『投資グループ』は詐欺師がでっち上げたもので、実際には存在しません。
被害者が勧誘にのると、詐欺師はまるで被害者が『タスク』に失敗したかのように見せかけて「タスクをこなせなかったので違約金を払え」とお金を要求してきたり
『投資費用』としてお金を振り込ませたうえに偽の仮想通過残高等を見せ「出金には手数料がいる」などと言って、あの手この手で被害者からお金をだまし取るのです。
また、中にはそもそも『タスク』を提示する前に「副業するためのマニュアルを購入する必要がある」などと言われ、多額のお金をだまし取られる被害なども多発しています。
被害のきっかけは『SNS』や『Web広告』
『タスク型詐欺』のきっかけは多くの場合が『SNS』や『Web広告』です。よくある傾向としては次のようなものがあります。
SNSの『キラキラ投稿』
最近の副業詐欺に多いのが、高級ブランドや札束の山、タワマンの生活等を投稿するいわゆる『キラキラ投稿』で被害者の興味を引くSNS投稿です。
詐欺師は「初心者でも稼げる」「未経験から月収○○○万円」「私でも稼げた」といった文章と共に裕福な生活ぶりを投稿して副業・投資初心者の興味を引き、「DMくれた人に稼ぎ方を教えます」「期間限定で会員サロンに招待します」などといった誘い文句で被害者側からのコンタクトを待ちます。
Web広告の『副業ランキング』
SNSはもちろんですが、検索エンジンやその他のアプリなどで表示される『Web広告』にも詐欺師は潜んでいます。
実はこうしたWeb広告は事実上「費用さえ払えばたとえそれが詐欺広告であっても掲載することが可能」であるため、近年多くの詐欺犯罪の温床となっています。
実際に令和4年4月13 日には、『副業』に関するWeb広告をきっかけに被害者が詐欺師とつながり「誰でもスマホ一つで毎月60万円以上稼げる」などと勧誘を受けて『副業に必要なマニュアル』を2万円前後で購入させられたものの、マニュアルには具体的な作業内容の記載が無く、勧誘時の説明と相違点があると相談が相次いだことを受け、消費者庁が『株式会社サポート』を含む事業者6名について注意喚起を行っています。
消費者庁は被害の詳細と併せて『「マニュアル」等の情報商材を購入すれば、簡単な作業を短時間するだけで誰でも1日数万円を稼ぐことができる、ということはまずあり得ません』と強く注意を呼び掛けています。参考:『簡単な作業をするだけで「誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる」などの勧誘により「副業」の「マニュアル」を消費者に購入させた事業者に関する注意喚起|消費者庁』(令和6年8月取得)
『タスク型詐欺』に見られる特徴
『タスク型詐欺』の大きな特徴として、やりとりはメール・電話ではなく『LINE』『テレグラム』『ToCall』等のアプリで行うよう促されるというものがあります。
こうしたアプリは送り主の特定が容易ではないことから、詐欺師が被害者や詐欺集団内でやり取りをするための常套手段となっています。
また、『タスク型詐欺』でお金をだまし取られるパターンには大きく以下の3つのケースが確認されています。実際の被害例と共に見て行きましょう。
『情報商材』を購入させられる
『タスク型詐欺』では、副業を始めるにあたって詐欺師が『マニュアル』や『ガイドブック』などの情報商材を購入させようとすることがあります。
こうした情報商材を購入したとしても「誰でも必ず稼げる」ということはあり得ません。副業紹介で、条件として情報商材の購入を迫られた場合は断るようにしてください。
ネット広告を見て、簡単に稼げるというサイトにアクセスした。「1週間に1回5分の作業をするだけで誰でも簡単に稼げる」との説明があり登録したら、多額のマニュアル代を請求され支払った。マニュアル通りにやってみたが収入を得ることはできなかった。
引用元:『茨城県坂東市広報チラシ』(令和6年8月取得)
インターネットで副業を検索したら「1日1万円簡単に稼げる副業」という広告が出てきた。LINEで友だち登録し「初期費用0円でできる」と説明を受け、サポート事務局という別のLINEアカウントに誘導された。
怪しいと感じ「副業はやりません」と断ったら、受け取ってもいない電子書籍代約2万円を請求された。払わなければ所定の手続きを取る等と脅しのようなメッセージもある。
引用元:『【20代特に注意!】簡単に稼げるという副業|国民生活センター』(令和6年8月取得)
『サポートプラン』に契約させられる
詐欺師が「副業を成功させるため」などといって被害者に対し『サポートプラン』への契約を迫るケースも少なくありません。
この場合は被害金が大きくなる傾向があり、中には消費者金融で借金をするよう提案してくる詐欺師も確認されています。
「簡単にもうかる」というインターネットの広告を見て、約3,000円のマニュアルを購入した。マニュアルにはたくさんの有料プランが紹介されており、事業者から電話で「有料プランに入らなければもうからない。高額なプランほど色々なサポートが受けられる」と言われ、約60万円のプランを契約した。指示通りにブログを作り、毎日記事を書いたがもうからず、事業者と連絡も取れなくなった。
引用元:『【20代特に注意!】簡単に稼げるという副業|国民生活センター』(令和6年8月取得)
「10分の設定を行うだけで、全自動で報酬が入り続ける夢のようなお仕事です」などのメッセージから副業の申込みをすると『サポート専用LINE』の登録を促され「仕事の内容を通話で説明するため、対応可能な日を教えてほしい」というメッセージが送付されてきた。
通話では「アフィリエイト」について説明され「1か月あればサポートプランの申込料金分は確実に稼ぐことができます」「稼ぐことができなかった場合は全額返金します」などと、さらに有料のサポートプランを契約させられた。
サポートプランは、最も安価なもので10万円、最も高額なプランだと180万円で、消費者金融から借入れを行うように提案してくる場合もある。※一部抜粋等※一部抜粋等
引用元:『簡単に高額を稼げるという副業の情報商材や、高額なサポートプランの勧誘にご注意!|本山町』(令和6年8月取得)
『違約金』『ペナルティ』を請求される
被害者が言われた通りに『タスク』をこなしていたにもかかわらず失敗したように見せかけて、事前に説明の無かった『違約金』や『ペナルティ』を求められるケースです。
特に『投資グループ』や『福利厚生タスク』で複数人(全員詐欺師の演技です)と組まされた後に「被害者のせいで全員損をする」ようなシナリオでだましてくることが多く、罪悪感や責任感から高額を支払ってしまう被害者も少なくありません。
インスタグラムで「簡単にもうかる」とうたう副業の広告にアクセスし、SNSの特定の投稿に「いいね」を押す副業などを紹介された。その後「操作ミスがあった」などと違約金を求められ、現金約800万円を指定された口座に振り込んだ。※一部抜粋等
(引用元:『「簡単にもうかる」タスク型詐欺 宮城・富谷市の男子大学生 約800万円被害』|Yahoo!ニュース』(令和6年8月取得)
動画を2回視聴して350円の電子マネー報酬を得た。さらに仕事を続けるには「ToCall」というチャットアプリを使うよう指示された。そのアプリでは、別の人物からの指示を受け、動画視聴のタスクで4000円を獲得した。
すると、さらに高額の報酬が得られるとして、複数人のグループで仮想通貨を使い、指示通りに取引をする仕事に誘われた。なぜか取引の前に指定の口座への入金を求められたが、5千円、1万円、3万円を入金して3回の取引に成功した。しかし、9万円を入金した取引では「指示通りにできなかった」としてグループの4人全員が報酬獲得に失敗。さらにペナルティとして45万円を請求された。45万円を入金したが、「タイムアウトした」などとさらに51万円ほどを追加で請求された。※一部抜粋等
(引用元:『自宅での副業から詐欺に…被害者が語る「タスク詐欺」の実態 道内でも総額約2億円の被害HTB北海道ニュース』令和6年8月取得)
『タスク型詐欺』の被害に遭ってしまったら
もしも『タスク型詐欺』の被害に遭ってしまった場合は、なるべく早い段階で以下の対処をする必要があります。
警察または消費者センターへ相談
被害に気が付いたら相手と直接交渉はせず、すぐに警察や消費者センターへ相談をしましょう。
被害者が詐欺に気づいたことを察した詐欺師はたいていの場合雲隠れをして二度と連絡がつかなくなり、犯人特定の機会を逃してしまいます。
自力で交渉することで余計に被害が大きくなるリスクもありますし、あえて「だまされているふり」を続けて詐欺師と繋がっていれば警察と協力の上『振込先の口座情報』から犯人を特定して逮捕へつなげたり、法的に損害賠償を請求できる可能性もまだ残されています。
少しでも疑わしいと思ったらすぐに次に紹介する消費者センターや警察の窓口に相談をしたうえで、今後のアドバイスを仰ぎましょう。
①各都道府県の『消費生活相談窓口』
②警察相談専用電話
電話番号:#9110
相談料:無料
ホームページ:警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ
※通話発信地を管轄する各都道府県警察本部等の総合窓口に直接つながります。
※土日祝日及び夜間は、「当直」又は「音声案内」等により対応
被害金を取り戻すなら
上記でご紹介した公的機関では『被害拡大防止の助言』『(可能な場合は)犯人逮捕』等はしてはもらえますが「被害金を取り返したい」といった個々の要望には対応ができません。
仮に犯人逮捕ができた場合でも、法的な損害賠償請求については自力でどうにかする必要があります。自力で被害金を取り戻す方法として、次の2点をご参考ください。
『振り込め詐欺救済法』を利用する
もしも『投資』『違約金』を名目に詐欺師の指定する銀行口座へお金を振り込んだ場合は、『振り込め詐欺救済法』の適用となる可能性があります。
『振り込め詐欺救済法』は今から16年前の平成20年6月から施行された特殊詐欺被害者救済を目的とした法律です。
ざっくり概要をご説明すると「特殊詐欺被害に遭ったことを被害者が金融機関へ連絡することで、金融機関側が『振込先の口座(詐欺師の口座)』を凍結させ、凍結させた口座の残高から被害者に対して被害金の全額または一部を返済する」というものです。
ただし、もしも金融機関が凍結させた時点で口座の預金残高が1,000円未満であった場合は、残念ながら被害金が戻ってくることはありません。
特殊詐欺の犯人はたいてい、お金が振り込まれた時点で全額を引き出して救済措置を使えないようしてしまうため、救済法では対応できない場合が多いのです。
実際に令和5年には同法によって44,326口の預金口座が犯罪に利用されたとみなされ凍結をされていますが、うち21,489口は「残高が1,000円に満たない」として被害金の返済が認められませんでした。(参考:『振り込め詐欺救済法に基づいて令和5年度中に実施した公告について』|預金保険機構.令和6年6月取得)
かなり厳しい条件ではありますが『犯人がお金を引き出す前に口座凍結が出来た』場合で『1000円以上の残高がある』場合には被害金を全額もしくは一部取り戻せる可能性はありますので、被害に遭ったことが分かったら一刻も早く警察や消費者センターと併せて振込先の金融機関へ連絡するようしてください。
【法律のプロ】弁護士・司法書士に相談する
多少の費用はかかってしまいますが、被害金が戻ってくる可能性が高いのは弁護士や司法書士といった法律の専門家の力を借りる方法です。
弁護士・司法書士は法律のプロであると同時に、多様な詐欺犯罪手口をいくつも取り扱っていることから被害者に対して適格なアドバイスをしてくれます。
詐欺師の身元を特定できた場合や逮捕に至った場合には、相手方との返金交渉や損害賠償請求を委任すればお金が戻ってくる可能性もありますので、まずは「自分の場合、返金の可能性はあるか」「どのように動くのが最適か」など話を聞いてみるところから始めてみてください。
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まとめ
SNS・ネット上に『うまい話』は絶対にありません。面識のない人や、素性の分からない人からの仕事の誘いには『裏がある』と考えるようにしましょう。
また、もしネットで見つけた副業をしていて違和感を覚えた場合などは、一人で悩まずすぐに公的機関へ相談に行くようしてください。
「お金を得るはずが失ってしまった」なんてことの無いよう、十分にご注意ください。