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出会い系詐欺とは?詐欺犯の手口や特徴、返金してもらう方法を解説

この記事でわかること
  • 出会い系詐欺とは、恋愛感情や性欲を逆手にとって金銭を騙し取る犯罪である
  • 実際に会ってから詐欺に遭う事例と会わずに詐欺に遭う事例とがある
  • 出会い系で知り合った相手からお金の話をされたら注意が必要である
  • 詐欺犯から返金してもらうためには専門家への依頼が有効である

インターネットが普及した現在、多くの人が出会い系サイトやマッチングアプリを出会いの場として利用しています。

しかし、残念ながら、これらの出会いの場を利用した「出会い系詐欺」の被害に遭う人が後を絶ちません。出会い系サイトやマッチングアプリを悪用した詐欺は以前からありましたが、昨今はコロナ禍で利用者が増えたこともあり、詐欺被害に遭う人も増えています。

出会い系詐欺は、利用者の「素敵な異性と出会いたい」という心理や、出会った相手に対する恋愛感情を逆手にとって忍び寄ってきます。被害に遭わないためには、出会い系詐欺について正しい知識を持っておくことが重要です。

そこで今回は、出会い系詐欺の手口や特徴をわかりやすく解説し、被害に遭った場合に返金してもらう方法もご紹介します。

出会い系サイトやマッチングアプリを安全に利用するための参考になさってください。

出会い系詐欺とは?

出会い系詐欺とは、出会い系サイトやマッチングアプリを悪用してお金を騙し取る詐欺行為の総称です。

詐欺行為にはさまざまなものがありますが、大きく分けると以下の2つのパターンが挙げられます。

  1. サイト、アプリ上で行われる詐欺行為
  2. 実際に会ってから行われる詐欺行為

①の詐欺行為の中には、詐欺集団が出会い系サイトやマッチングアプリそのものを運営しているケースと、適法に運営されている出会い系サイトやマッチングアプリ内で詐欺集団が活動する場合とがあります。

出会い系詐欺の被害事例は10年前から数多く報告されています。しかし、昨今のコロナ禍でサイト・アプリの利用者が増えたこともあり、詐欺被害に遭う人が急増していることが問題となっています。

国民生活センターへの相談件数も、新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた2020年に急増しています。

年度 2018 2019 2020 2021 2022 2023
相談件数 8,913 8,927 10,599 10,260 8,824 736(前年同期 870)

【出典】:国民生活センター|出会い系サイト

出会い系サイトやマッチングアプリを利用するなら、これから解説する出会い系詐欺の手口や特徴を知っておくことが必須であるといえるでしょう。

出会い系詐欺の手口

出会い系詐欺の具体的な手口としては、以下のものがあります。

サクラを利用して有料ポイントを消費させる

サクラとは、実際に会う気がないにもかかわらず、利用者とメッセージのやりとりをするために出会い系サイト・マッチングアプリの運営者に雇われた人物のことです。

高時給で雇われたアルバイトが多く、男のサクラが「若い女性」「金持ちマダム」を演じたり、逆に女のサクラが「イケメン」「IT実業家」を演じるなど、様々なキャラクターを使い分けて利用者を巧妙に騙します。

サクラしかいない「サクラサイト」もあれば、一般の利用者の中にサクラが紛れ込んでいるサイトもあります。

その手口は、まずサクラから利用者に対して積極的なメッセージが送信されます。利用者が返信すると親密なメッセージのやりとりが始まります。

しかし、実際に会おうと誘いかけてもうまく回避され、サイト内でのやりとりだけが長々と続きます。利用者は「会いたい」という気持ちになっているため、有料ポイントを次々に購入し、消費させられてしまいます。

別のサイト・アプリに誘導する

ターゲットが登録しているサイト・アプリ内で直接、詐欺行為に及ぶのではなく、別のサイト・アプリに誘導してお金を騙し取る手口の詐欺もあります。

具体的には、まず無料サイトや低料金の有料サイトに詐欺犯が一般の利用者を装って登録します。そこで他の利用者とメッセージのやりとりをして、ある程度親しくなると「こっちのサイトの方が使いやすいから移動したい」などと別のサイト・アプリに誘導します。

しかし、誘導される先は「サクラ」サイト・アプリであり、ターゲットはそこで登録料や有料ポイントを騙し取られるという手口です。

サクラサイトに誘導されるだけでなく、さまざまな詐欺サイトに誘導され、高額な商品を購入させられるという被害もあります。

援助や立て替えを頼んで金銭を騙し取る

サイト・アプリで知り合った相手と実際に会ってから、援助や立て替えという名目で金銭を騙し取られるというパターンの詐欺も古くからあります。

このパターンの詐欺の場合、当初は親密に交際し、性交渉に至ることも多くあります。しかし、ターゲットとの信頼関係が築かれた時点で、詐欺犯は以下のような話を持ち出します。

  • 会社が倒産しそうで、○○万円が早急に必要だ
  • 実家の親が重病にかかり、手術代に○○万円がかかる
  • 兄弟が交通事故を起こし、示談金として○○万円を要求されている

ターゲットは詐欺犯のことを信じ込んでいるため、「この人を助けるために」「嫌われたくない」といった気持ちからお金を渡してしまいます。1度お金を渡すと次々に援助や立て替えを頼まれ、被害が拡大することが多いです。

しかし、ある日突然、相手と連絡が取れなくなり、詐欺に遭ったことに気付くというパターンです。

古くからある「結婚詐欺」や「デート商法」が典型的ですが、最近では外国人を装ってサイト上でこのような詐欺を行う「国際ロマンス詐欺」という手口も急増しています。

投資等に勧誘する

近年では、出会い系サイトやマッチングアプリで親しくなった人から投資を勧められ、お金を預けても利益が出ずお金を持ち逃げされるという手口の詐欺が急増しています。

投資に関する高額のツールや情報商材を売りつけられるケースもあります。

さまざまな投資の商品が出回るようになったことと、政府も投資を推奨していることから、投資に関心を持つ人が増えたことが背景にあると考えられます。

また、マルチビジネスやネズミ講などに勧誘されるケースも古くからあります。

出会い系詐欺の見分け方~こんな特徴があったら要注意

出会い系詐欺の犯人は、利用者の「会いたい」という気持ちや恋愛感情といった心の隙をついてくるため、いったん詐欺にかかると実害が発生するまで気付かないことがあります。そのため、事前に出会い系詐欺の特徴を知っておくことが大切です。

以下のような特徴に気付いたら、疑ってかかった方がよいでしょう。

プロフィール写真が美男・美女

出会い系サイトやマッチングアプリのプロフィール写真には、他人の顔写真を掲載することも簡単にできてしまいます。特にサクラは、ネットで拾った美男・美女の写真をプロフィール写真として掲載していることが多い傾向にあります。

一般の利用者の中にも美男・美女はいますが、相手の素性がわからない出会い系サイトやマッチングアプリでは、プロフィールをうのみにすることは危険です。

登録直後に連絡された

詐欺犯は手当たり次第にメッセージを送っているので、登録直後の人にもメッセージを送ることがあります。

まだ詳しいプロフィールも掲載していない段階でメッセージが送られてきたら、詐欺の可能性を疑いましょう。

特に男性の場合は、ただでさえ女性の方からメッセージが来ることは少ないので、登録直後に誘惑的なメッセージが来た場合は詐欺の可能性が非常に高いといえます。

サイトでの会話内容がかみ合わない

詐欺犯は不特定多数の利用者に対して大量のメッセージを送るため、テンプレートを使っていることが多いです。

親しみやすい内容となっているので、1通目のメッセージでは気付かないことが多いですが、やりとりをしていくうちに以下のような特徴が現れてきます。

  • 聞いたことに対する答えになっていない
  • 何度も同じことを聞かれる
  • 前に伝えた内容を覚えていない

真面目に出会いを求めている相手なら、こちらのメッセージの内容に合わせてスムーズに会話が進むはずです。会話内容がかみ合わない場合は、詐欺犯がテンプレートを使って送信したメッセージである可能性が高いといえます。

過剰におだててくる

詐欺犯の目的は当然ながらお金を支払わせることですが、そのためには早期に恋愛感情を抱かせ、相手の判断能力を狂わせる必要があります。なるべく早く信頼を築くために、過剰におだててくることがあります。

一般の利用者でも「会いたい」「仲良くなりたい」という気持ちからお世辞のメッセージを送ってくることは少なくありません。しかし、今までに経験がないほど過剰におだてられた場合は、裏があると考えるべきでしょう。

お金の話を持ち出す

結婚詐欺やデート商法、投資等を勧める詐欺犯の場合、最初は通常のやりとりをしていたのに、あるとき突然、お金の話を持ち出すという点が特徴的です。

被害に遭わないためには、「出会い系で知り合った人にお金は渡さない」と決めておくくらいの方がよいでしょう。

実際にあった出会い系詐欺の事例

ここでは、実際にあった出会い系詐欺の事例をいくつかご紹介します。一般の人が詐欺の被害に遭った事例が数多くありますので、一例として参考になさってください。

サクラサイトの運営者や従業員が逮捕された事例

2019年3月、出会い系サイトでサクラを使って男性利用者から現金を騙し取ったとして、サイト運営者やサクラ行為をした者らが詐欺罪の疑いで逮捕されたという事件が報道されました。

サクラとなった人物は女性会員を装い、「電話番号を交換するには料金がかかる」などといった虚偽のメッセージを送信し、男性利用者からサイト利用料などの名目で現金を振り込ませたとのことです。

このように、サクラサイトの運営者や従業員(サクラ)が逮捕される事件はしばしば報道されていますので、見聞きしたことがある人も多いでしょう。

別のサイトに誘導され高額のポイントを消費した事例

出会い系サイトやマッチングアプリから別のサイトに誘導され、高額のポイントを消費してしまうという事例も多数発生しています。

出会い系アプリで、仲良くなった子から、別のサイトに連絡してと言われてそっちでやりとりしていてポイント追加で連絡先交換になって合計30万くらいの詐欺にあってしまいました

【引用】:弁護士ドットコム|出会い系アプリの詐欺

当初利用していたサイト・アプリよりも高額の料金がかかるサイト・アプリに誘導された場合は特に注意が必要です。もっとも、誘導先のサービスが一見すると優良サイト・アプリのように見えることもあるので、油断はできません。

投資話を持ちかけられ金銭を騙し取られた事例

投資話を持ちかけられるという詐欺被害も近年は急増しています。

数年前に投資があると出会い系サイトで知り合った人に教えてもらいました。
投資するには100万必要で支払いをしてしまいました。実際にやると競馬の投資でした。
自動で購入してもらうというものです。今はしていませんが、恐らく違法ですよね?

【引用】:弁護士ドットコム|競馬の投資について違法なのか

この事例では競馬の投資ですが、その他にFX、株式、不動産などの投資を勧められる詐欺被害の事例が多数、見受けられます。

出会い系で結婚詐欺に遭った事例

古くからある結婚詐欺の被害事例も後を絶ちません。

出会い系サイトで知りあった男性とお付き合いを始めて半年になります。将来子供を二人で産んで育てていく約束をして相手を信頼していましたが、相手から新規事業を立ち上げたいのでお金出して欲しいと言われ、350万程渡してしまいました。
実は相手の住所も知らず、名前と生年月日を照合してもらいましたが、偽名だと判明しました。
返金してもらうにはどのようにしたらよいのでしょうか?

【引用】:弁護士ドットコム|結婚詐欺について

出会い系サイトやマッチングアプリで異性と出会うことが一般化した昨今において、相手からお金の話を持ち出されたときには基本的に疑ってかかる方がよいでしょう。

出会い系詐欺に遭ってしまったときに自分で返金を求める方法

出会い系詐欺に遭ったことに気付いたときは、まず証拠を確保しましょう。詐欺犯はお金を騙し取った後は出会い系サイトから退会することが多いので、早急に相手とのやりとりをすべてスクリーンショットなどで保存しておくことが大切です。

その上で、以下の方法によって返金してもらえる可能性があります。

銀行やカード会社に連絡する

相手に現金を振り込んだ場合や、クレジットカードで有料ポイントや高額商品を購入した場合は、すぐに銀行やカード会社に連絡して被害を報告してください。

振り込みの場合は、振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結をしてもらうことによって、その口座に残っているお金の分配を受けられる可能性があります。

クレジットカードで決済した場合は、不正利用が認められるとクレジットカード契約が取り消され、チャージバックにより返金を受けられる可能性があります。

国民生活センターに相談する

国民生活センターには出会い系詐欺の被害報告が全国から数多く寄せられているので、相談すればさまざまなアドバイスが受けられます。

高額な商品を購入させられた場合は、クーリング・オフをすることで返金を受けられることもあります。クーリング・オフのやり方は相談員が案内してくれます。

国民生活センターに相談するには、局番なしの「188」(消費者ホットライン)に電話をするのが便利です。最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。

警察に相談する

詐欺の加害者がどこの誰なのかがわからない場合は、警察に相談しましょう。

「♯9110」に電話すれば、さまざまな相談に乗ってもらえます。具体的な対処が必要な場合には、各都道府県警のサイバー犯罪相談窓口を案内してもらえます。

ただ、警察が動いてくれたとしても、お金を取り戻してもらえるわけではありません。返金を求めるためには、加害者が判明した後に専門家のサポートが必要となることが多いでしょう。

出会い系詐欺に遭ったら弁護士・司法書士に相談を

出会い系詐欺に遭ったときは返金を求めることが可能ですが、相手は詐欺師なので、自分で交渉してお金を返してもらうことは困難です。お困りのときは、弁護士・司法書士という法律の専門家に相談することを強くおすすめします。

最適な解決方法を提案してもらえる

詐欺師に対して返金を求めるためには、まず証拠を確保した上で、相手の氏名や連絡先などの調査も行わなければなりません。これらの対処に時間がかかると詐欺師に逃げられてしまい、返金請求ができなくなる可能性があります。

専門家に相談すれば、どのような手順で返金請求の手続きを進めればよいのかをアドバイスしてもらえるので、返金を受けられる可能性が高まります。

また、必要に応じて銀行・カード会社・警察への相談なども案内してもらえます。詐欺の被害に遭ったら、いち早く弁護士・司法書士に相談し、アドバイスに従うことが最善の対処法であるといえます。

詐欺業者と直接交渉してもらえる

返金を求める場合は、詐欺業者と交渉をする必要があります。しかし、相手は詐欺師なので、一般の人が「詐欺だ」と訴え返金を求めたところで、誠意のある対応はほとんど期待できません。

弁護士・司法書士に依頼すれば、被害者に代わって詐欺集団と交渉してもらえます。詐欺業者も、法律の専門家が相手となれば、刑事告訴や民事裁判となる可能性を恐れて返金に応じることがあります。

裁判で返金を請求してもらえる

詐欺業者が返金交渉に応じない場合は、民事裁判などの法的手続きによって返金を請求する必要があります。しかし、裁判手続きは複雑であり、専門的な法律の知識がなければ適切に進めることは難しいものです。

専門家に依頼すれば、複雑な裁判手続きもすべて任せることができます。裁判所において詐欺の事実を証拠で立証してもらうことにより、強制的な返金が期待できます。

まとめ

出会い系サイトやマッチングアプリは、ネット上で気軽に異性と出会うことが可能という便利なものです。しかし、利用者の心の隙につけ込んでお金を騙し取ろうとする詐欺業者の出現があとを絶ちません。

残念なことではありますが、サイト・アプリを利用するときには常に詐欺に対する警戒心を持っておく必要があるでしょう。

万が一、詐欺の被害に遭った場合は、詐欺業者が逃げる前にいち早く証拠を確保した上で、適切な方法で返金を求める必要があります。

お困りのときは、弁護士・司法書士にすぐ相談した方がよいでしょう。

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