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FX詐欺とは?その手口と被害に遭わないための注意点、返金方法を解説

監修
阿部 由羅/ゆら総合法律事務所
監修日:2022/12/26

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種ウェブメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。
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この記事でわかること
  • FX詐欺とは、FX取引を通じて利益が得られるように見せかけて証拠金等を騙し取る犯罪である
  • 高額なFX自動売買ツール等を売りつけられる手口もある
  • 会ったことがない相手からFXに勧誘されたら注意が必要である
  • 返金を請求するには専門家への相談が有効である

インターネットで知り合った人からFX(外国為替証拠金取引)への投資を勧められ、多額のお金を騙し取られるという「FX詐欺」の被害が多発しています。

FXは少額の資金で大きな利益を得られることがある投資ですが、詐欺師はそのメリットを強調して忍び寄ってきます。

最近のFX詐欺事例の特徴として、投資に興味がない人でも被害に遭ってしまうケースが急増しています。出会い系サイトやマッチングアプリで出会った人に恋愛感情を抱き、断りにくい関係となってからFX取引を勧められ、お金を奪われてしまうなどの手口が横行しています

FX詐欺の被害に遭わないためには、その手口や具体的な事例を知っておくことが大切です。

この記事では、FX詐欺の手口や事例をご紹介し、被害に遭わないための注意点や、被害に遭ったときに返金してもらう方法も解説します。

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そもそもFXとは?

FXとは「Foreign Exchange」の略称で、「外国為替証拠金取引」という意味の言葉です。

最近はFXに興味がない人がFX詐欺の被害に遭ってしまうケースが急増しているので、まずはFXに関する基本的なことをご説明します。

少ない資金で取引が可能

FXの最大の特徴は、少ない資金でも大きな取引を行うことができ、効率よく利益を上げることが可能という点にあります。

証拠金(損失が出た際に没収される金銭)をFX業者に預ければ、その金額の最大25倍※まで取引を行うことが可能です。(レバレッジ)
※日本国内のFX業者の場合

つまり、資金が10万円しかなくても、最大で250万円分の外国通貨を買うことができるのです。

為替差益・スワップポイントで利益が出る

FXでは、為替差益によって利益を上げることができます。

例えば、証拠金10万円でレバレッジを10倍に設定すると、1ドル=100円のときに1万ドルを買うことができます。1ドル=110円となったときにこの1万ドルを売ると110万円が戻ってきて、買値との差額の10万円が利益となります。

FXで利益を出す方法としてもう一つ、スワップポイントというものもあります。これは、低金利の通貨で高金利の通貨を買うことにより利益を出す方法です。

例えば、2022年12月末時点で、「USD/JPY」の買いポジション(日本円でドルを買った状態)のスワップポイントは、1,000ドルあたりプラス数円から十数円となっています(FX業者によって異なります)。つまり、1,000ドルの買いポジションを持っていれば、1日当たり数円から十数円の利益を得られるということです。1年間に換算すると、1,000ドル当たり数千円の利益となります。

証拠金を上回る多額の損失が生じる可能性がある

FXでは、レバレッジをかけることにより大きな利益を上げることが可能となる反面で、失敗すれば多額の損失が生じることもあります。

日本の法律では、巨額の損失が発生することを防止するため、レバレッジは最大25倍までと定められています。損失が上限に達すると、「ロスカット」という制度により強制的に取引が終了します。

それでも相場が大きく変動した場合にはロスカットが間に合わず、証拠金を上回る多額の損失が生じる可能性があります。

そのため、FXをするなら事前にしっかりと勉強して、安全な範囲内で経験を積んでいくことが重要となります。

FX詐欺とは?

FX詐欺とは、FX取引で確実に大きな利益が得られるように見せかけて、お金を騙し取る手口の詐欺です。

FXで利益を上げるためには、それなりの知識と経験が必要で、その上に日々刻々と変化するレートを確認し、売り買いのタイミングを判断するという労力も必要となります。

それにもかかわらず、詐欺師は「こうすれば確実に大きな利益が得られます」とかたり、FXを勧誘してきます。

FX詐欺の被害事例は以前から確認されていましたが、国民生活センターへの相談件数は2020年に前年から倍増し、その後も増え続けています。

外国為替証拠金取引の相談件数
年度 相談件数
2018 220
2019 751
2020 1,586
2021 3,023

【引用元】: 国民生活センター|商品先物取引・外国為替証拠金取引

今後も増加が見込まれるので、十分な警戒が必要です。

FX詐欺の手口

FX詐欺の手口にはいくつかのパターンがあります。それぞれ、具体的な手口をみていきましょう。

自動売買ツール等を購入させる

比較的多い手口は、FXの自動売買ツールや情報商材を高額で売りつけるというものです。

これらの商品自体は違法なものではありませんが、「確実に儲かる」という謳い文句で、質の低いツールや教材を、価値に見合わない高額で売りつける行為は詐欺に当たります。

購入者が「利益が出ない」と苦情を述べても、詐欺師は「一時的に損失が出ることもあるが、継続すれば必ず儲かる」などと言い逃れをして、返金やクーリングオフに応じようとしません。

やがて音信不通となって連絡が取れなくなり、詐欺に遭ったことに気付きます。

偽の取引所で取引させる

次に多い手口は、「確実に儲かるようにサポートする」という謳い文句で顧客を集め、詐欺師が作成した偽の取引所で取引をさせるという手口です。

顧客を信用させるため、まずは少額の取引を勧め、利益が出るように見せかけて実際に少額の出金にも応じます。

顧客が信用したところで高額の取引を勧めて資金を送金させますが、今度は利益が出ません。顧客が出金を申し出ても、「今やめるのはもったいない」「あと○○万円送金してもらえれば出金できる」などと答え、さらに資金を要求してきます。

しかし、そもそも偽の取引所なのですから利益は出ず、やがて詐欺師と連絡が取れなくなり、資金を騙し取られることになります。

FX会社を装って証拠金を送金させる

FX取引は、FX会社に証拠金を預け、そのFX会社を通じて行うものです。FX会社を装って証拠金を騙し取るという手口の詐欺もあります。

このパターンの詐欺師も証拠金を受け取るだけで、実際に取引は行いません。顧客が出金や返金を希望すると、「証拠金が少ないから利益が出にくい。もう少し送金してもらえば利益を出せる」などといってさらに送金を要求してきます。

やはり、やがて詐欺師と連絡が取れなくなり、証拠金を騙し取られたことに気付きます。

FX詐欺に遭いやすい場所

詐欺師は、いくつかの「狩り場」でターゲットを狙っています。FX詐欺の被害を回避するために、以下の場所には警戒しておきましょう。

出会い系サイトやマッチングアプリ

近年は、出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った人からFXを勧められ、資金を預けたら詐欺の被害に遭ったというケースが急増しています。

当初は相手から熱烈な愛情表現を受け、ターゲットが恋愛感情を抱いたところでFXに勧誘し、資金を騙し取るという手口です。

恋愛感情を利用してお金を出させるため、FXに興味がない人の中にも数多くの被害者がいます。

外国人の美男・美女を装って短期間のうちに多額の資金を騙し取る「国際ロマンス詐欺」という手口もあります。

SNSへの投稿やメッセージ

出会い系サイトやマッチングアプリを利用しなければ安全かというとそうでもなく、FacebookやTwitter、LINEなどのSNSで知り合った人がFX詐欺師であったという事例も多発しています。

その他にも、詐欺自身がSNSに「簡単に儲かる」という謳い文句でFXに関する情報を投稿し、興味を持ってアクセスしてきた人からお金を騙し取るという手口もあります。

ネット上の誇大広告

Webサイトなどに「簡単に儲かる」「確実に利益が出る」といった謳い文句で、FXの自動売買ツールや情報商材、サポートなどの広告を貼るというパターンもあります。

この手口は、主に投資や副業でお金を増やすことに興味がある人を狙った詐欺です。「楽してお金を儲けたい」と考えていると詐欺に引っかかりやすいので、注意が必要です。

よくあるFX詐欺の事例

ここでは、よくあるFX詐欺の事例をいくつかご紹介します。

自動売買で多額の損をする事例

ブログで知り合った人に儲かると言われて海外FXの自動売買をしていたが、多額の損が出て取引停止できず、FX業者とも連絡が取れなくなった。騙されたのか。

上記の事例は、FXの自動売買で多額の損失が発生したというものです。

為替相場は日々刻々と変動しているため、利益を出すためにはパソコンやスマホで常に市場を確認していなければなりません。

良質な自動売買ツールもありますが、高額のツールは詐欺師が提供する悪質なものである可能性が高いので注意が必要です。

利益が出ているはずなのに出金できない事例

インターネットで勧められた海外業者とのFX取引で、利益が出ているのに出金に応じてもらえず、そのうち業者と連絡が取れなくなった。

上記の事例は、FXで利益が出ているように見せかけられ、資金を騙し取られたというものです。

「利益が出ている」と言われても、偽の取引所における架空の利益である可能性があります。本当に利益が出ていると信じ込み、さらに資金を送金すると被害が拡大してしまいます。

架空のFX会社に資金を騙し取られる事例

FX取引で高配当が得られると偽り、全国の約50人から合計約1億5千万円を騙し取った。

上記の事例は、預かった証拠金をFX取引で運用すると偽り、多くの人から高額の金銭を騙し取るものです。

架空の社名を名乗り、「投資のプロが運用する」などとウソをつくのが、こうした詐欺を働くグループの常とう手段です。手の込んだ手口としては、ターゲットを信用させるために、運用状況がわかるアプリをスマートフォンにインストールさせるなどの例も見られます。

FX詐欺に遭わないための注意点

FXで投資をしようと思ったときや、FX投資に勧誘されたときは、以下の3点に注意すれば詐欺の被害を回避することが可能となります。

  • FX会社に注意する
  • 自動売買ツールに注意する
  • 勧誘してきた人に注意する

無登録業者とは取引しない

FX取引にはFX会社が関与しますが、日本に居住する人に対してFX取引を業として行うためには、金融商品取引業の登録を受けていなければなりません。

したがって、証拠金の送金先として指定された業者が無登録であれば、詐欺業者であると考えて間違いありません。

金融取引業の登録を受けている業者の一覧と、無登録で金融取引業を行っているとして金融庁から警告を受けた業者の一覧は、金融庁のホームページで確認できます。

証拠金を送金する前に、必ず金融庁のホームページで業者の登録の有無を確認しましょう。

【参考 金融庁HP】
免許・許可・登録等を受けている業者一覧
無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について

高額のツールは購入しない

数万円~数十万円といった高額の自動売買ツールは、詐欺師が提供している可能性を疑いましょう。すべてが詐欺というわけではないですが、有用な自動売買ツールはきわめて少なく、高額であればあるほど詐欺的である可能性が高いと言わざるを得ません。

自動売買ツールで簡単に利益が出るようなら、FX取引で大儲けをする人が続出しているはずです。しかし、現実にはそうなっていないのですから、高額の自動売買ツールに手を出すのは避けるべきでしょう。

会ったことがない相手からの勧誘に乗らない

出会い系サイトやマッチングアプリ、SNSなどで知り合った人から「お金を預けてくれたら運用して増やしてあげる」などと言われたら、冷静になって相手のことを信用できるかを判断すべきです。

一般的には、そのような場で知り合い、会ったこともない相手に多額のお金を預けることは明らかにリスクが高いといえるでしょう。

しかし、相手に対して恋愛感情を持ってしまうと、自分では正常に判断できないこともあります。そんなときは、送金する前に家族や友人など第三者に相談してみることをおすすめします。

第三者からの冷静なアドバイスを受けることで、詐欺の被害を回避することができるでしょう。

FX詐欺被害について自分で返金を求める方法

万が一、FX詐欺の被害に遭った場合に返金を求めるためには、早急に対処することが重要となります。ここでは、自分でできる対処法をご紹介します。

送金した銀行に連絡する

すぐに行うべき対処法は、送金した銀行に連絡して被害の実態を伝え、詐欺師の口座を凍結してもらうことです。

振り込め詐欺救済法に基づき口座が凍結されると、その口座に残っている預金の中から返金を受けられる可能性があります。

詐欺師の口座に預金が残っていなければ返金を受けられないので、詐欺の被害に気付いたら早急に銀行に連絡することが肝心です。

クーリングオフをする

自動売買ツールや情報商材を売りつけられた場合は、特定商取引法に基づくクーリングオフや、消費者契約法に基づく契約取消しを行えば、返金を受けられる可能性があります。

ただし、詐欺師が素直に応じる可能性は低いので、返金してもらうためには交渉や法的手続きが必要となります。

国民生活センターに相談する

詐欺師との交渉がうまくいかない場合は、国民生活センターに相談するのも一つの方法です。数多くの被害事例を見てきた相談員から、状況に合わせたアドバイスを受けられます

局番なしの「188」(消費者ホットライン)に電話をすると最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえるので、そこに相談するのもよいでしょう。

ただし、国民生活センターはあくまでも行政機関であり、被害者の代理人ではないため解決・返金までフルサポートをしてくれるわけではありません。単に相談だけで終わる可能性があることに注意が必要です。

警察に相談する

FX詐欺は犯罪なので、警察にも相談しておきましょう。刑事事件になれば、詐欺師の方から示談交渉を持ちかけてきて返金を受けられる可能性があります。

相談する際は、最寄りの警察署よりも各都道府県警察本部の「サイバー犯罪相談窓口」に相談することをおすすめします。

「♯9110」(警察相談ダイヤル)に電話すれば、お住まいの地域のサイバー犯罪相談窓口を案内してもらうこともできます。

ただし、刑事事件になったとしても、警察がお金を取り戻してくれるわけではないことに注意が必要です。

FX詐欺で被害を受けたら弁護士・司法書士に相談を

FXの詐欺師に対して自分で返金を求めることも不可能ではありませんが、実際に返金を受けられる可能性は低いと言わざるを得ません。

そのため、被害を受けたら法律の専門家である弁護士または司法書士に相談することを強くおすすめします。

※FX詐欺被害について司法書士に相談できるのは、法務大臣による簡裁訴訟代理等関係業務の認定を受けた司法書士(認定司法書士)であって、かつ被害金額が1社当たり140万円以下の場合に限ります。

最適な解決方法を提案してもらえる

FX詐欺では、ツールや情報商材を売りつけられたのか、架空のFX会社や取引のサポートをかたる詐欺師に金銭を持ち逃げされたのかなど、手口の種類によって解決方法が異なります。

弁護士・司法書士に相談すれば、事案の内容に応じて最適な解決方法を提案してもらえるので、返金を受けられる可能性が高まります。

業者と直接交渉してもらえる

弁護士・司法書士に解決を依頼すれば、詐欺業者の所在や連絡先を調査してもらうことができます。所在や連絡先が判明すれば、弁護士・司法書士が詐欺業者と直接、返金の交渉をしてくれます。

詐欺業者としても、弁護士・司法書士が出てくれば刑事告訴や民事裁判を起こされることを恐れ、返金に応じることがあります。

裁判で返金を請求してもらえる

詐欺業者の所在が判明した場合には、裁判で返金を請求することも可能です。

ただ、裁判の手続きは複雑で、業者の詐欺行為を証拠で証明できなければ勝訴することはできません。裁判を的確に進めるためには専門的な知識と経験が要求されます。

弁護士・司法書士に依頼すれば複雑な裁判手続きもすべて代行してくれるので、返金を受けられる可能性が高まります。

※認定司法書士が代理できるのは、簡易裁判所で行われる手続きに限ります。

まとめ

FXは効率よく利益を上げることが可能であり、近年、人気が高まっている投資手法の一つです。しかし、楽してお金を増やしたいという気持ちがあると、詐欺師に騙されてしまうおそれがあります。

また、FX詐欺の最近の手口として、出会い系サイトやマッチングアプリ、SNSで知り合い、FXに興味がなくても言葉巧みに勧誘し、お金を出させるという事例が急増しています。

ネットで見知らぬ人と交流する場合には、FX詐欺をはじめとするネット詐欺に警戒しておく必要があるでしょう。

本記事を参考にしてFX詐欺の被害に遭わないように注意していただくとともに、万が一、被害に遭ってしまった場合は早期に弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。

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