韓流ドラマ、K-POPなどの影響で女性を中心に韓国人気が高まっています。韓国はお隣の国ですので、飛行機で日本から1時間半程度で行き来できるせいもあってか、韓流ドラマに出てくるような韓国イケメン男性と交際したいと考える日本人女性は少なくないようです。
そんな韓国人気を悪用して日本人女性からお金をだまし取ろうとするのが、国際ロマンス詐欺で韓国人を演じる手口です。実際に多くの日本人女性が韓国人と信じてしまい詐欺被害に遭っています。
そこで、この記事では、国際ロマンス詐欺の専門家で当サイトにておなじみの「姐さん」に情報をご提供いただき、韓国人を演じる詐欺師の手口や特徴・事例についてご紹介します。
いま現在、SNSやマッチングアプリで知り合った韓国人を名乗る男性に投資を勧められたり、金銭を要求されている場合、詐欺の可能性があります。絶対に入金しないようにしてください!
国際ロマンス詐欺の韓国人詐欺師の割合は?
国際ロマンス詐欺で日本人女性を狙った詐欺師を国籍別に見ると圧倒的に多いのが韓国人です。
国際ロマンス詐欺の注意喚起の活動をする専門家「姐さん」からの情報によると、最近相談を受けられた被害事案の約5割近くが韓国人詐欺師案件ということでした。
また、男女比の内訳でみると98.4%が男性詐欺師の事案でした。
【韓国人詐欺師、詐欺手口、男女比の割合】
- 相談件数264件中128件が韓国人案件
- 全体の48.4%で国籍別にみると1位
- 「投資系詐欺」男69:女2
- 「手数料系詐欺 他」男57:女0
- 男女比 男98.4% 女1.6%
■姐さんのTwitterアカウント
https://twitter.com/Frank_romance
■姐さんのインタビュー記事:【専門家インタビュー】国際ロマンス詐欺の手口・特徴・事例について
日本人女性が韓国人男性に惹かれるのはなぜ?
日本人女性を狙ったロマンス詐欺は韓国人が圧倒的に多いわけですが、なぜ日本人女性は韓国男性に惹かれるのでしょうか?姐さんに聞いてみました。
―― 韓流ドラマがはじまり ――
韓国のドラマがケーブルテレビ等でよく目にするようになったのは1997年以降ですが、そこに登場する「顔がいい」「お金持ち」「男らしい」といった男性俳優に夢中になる女性が増えて行ったのが始まりでしょうか。その後、2003年にNHKで「冬のソナタ」が放送されるとあの韓流ブームが始まりました。
―― イケメンで積極的な韓国男性像 ――
ドラマの中の韓国人男性は「愛してる」とハッキリ言い、行動も積極的で少し強引に引っ張っていきます。大事な場面でも急いで会いに来てくれますし、サプライズもたくさん登場します。何よりも御曹司や会社経営をしていてジムで体を鍛えているお金持ちでイケメンばかりです。
私たち一般の日本人女性の周りにそんな男性はいませんし、出会うことや結婚するなど有り得えないと断言できる人がほとんどではないでしょうか。
自分の親や夫と韓国ドラマの男性を比べてしまい、韓国人男性と知り合えたらいいのに…と心のなかで思い描いたり、KーPOPのキラキラして可愛い顔のマッチョなタレントを追っかけている人は、私のまわりにもたくさんいます。
―― 30代以上の韓国びいきの女性が詐欺師に狙われる ――
韓国ドラマにハマった世代は30代以上の中高年女性が多いわけですが、韓国人男性に対して好意的な見方をする人が圧倒的に多いわけです。そんな中高年層はある程度の貯蓄や旦那さんの収入もあり、生活も安定している人が多いです。
ロマンス詐欺グループはそういった韓国びいきの日本の中高年女性を狙って、彼女たちの理想の男性像を作ってお金をだまし取ろうとするわけです
韓国人を演じる詐欺師の手口と特徴
韓国人男性を演じる詐欺師の手口と特徴にはいくつかのパターンがあります。これらに該当するような男性からアプローチが来たら、それはほぼ100%ロマンス詐欺だと考えて間違いないでしょう。
イケメンでお金持ちを演出
詐欺師がマッチングアプリやFacebook、Instagram等で使う画像は韓流ドラマに出てくるようなイケメンばかりです。若くして成功したお金持ち、セクシーな肉体、ペットと一緒の写真で優しい男アピールをするなど、魅力的な韓国人男性を演出するのが手口です。
【よく使われる盗用画像】
- ジムで鍛えている半裸写真
- たくさんの自撮り
- 裕福そうな豪華な食事
- 高級リゾートの部屋やプールの写真
- 会社の会議室でミーティング中の写真
- 高級自動車の写真
- ペットと一緒の写真
- ピアノなど楽器を演奏している写真
甘い言葉で結婚を約束する
女性に外見で関心を惹かせた後は、韓流ドラマの男性俳優のように、積極的かつ強引に迫ってきます。日本人男性にはあまり見られないような、甘い言葉で「ハニーベイビー」「マイクィーン」「未来の妻」などと、ささやいてきます。
最初は照れくさくても、毎回このように甘いメッセージが来ると、悪い気はせず、心を許しがちになる日本人女性は多いでしょう。
愛をささやいた後に投資詐欺・送料手数料詐欺でお金をだまし取ろうとする
LINEでのやり取りで、お金の話が頻繁に出てくるようになったら、ロマンス詐欺はほぼ確定です。韓国人設定の詐欺には、主に投資系と送料・手数料系の2つのパターンがあります。
投資系の詐欺師は、ターゲット女性に対して、「結婚するため」「2人の将来のため」お金を増やそうと投資の勉強を熱心に勧めてきます。そして、指定する口座に入金させようとします。
一方、荷物代や送料・手数料系詐欺師は、仕事の書類や高価なプレゼントを送ると言って、受け取りのためには船会社に手数料を払って欲しいと言ってきます。
また、仕事で使っている機械が壊れたから代金を支払いたいけど銀行口座が使えないから代わりに送金の手伝いをして欲しいと持ちかけてきたりします。
どちらも詐欺師の依頼を断ろうとしたら、「2人の将来を考えたくないのか!?」「僕を助けられるのは君しかいないのに断るのか!」と厳しい口調になります。そして「さよなら」と冷たく言い放ちます。
女性としては、彼からもう連絡が来なくなるのでは無いかと不安になって、振られるのが怖いので言いなりになってしまいます。その中には、独身女性だけでなく既婚女性もいます。
詐欺師は、押しに弱く従順という日本人女性の心理を巧みに利用してお金を支払わせようとします。
やり取りしている相手は韓国人ではない!韓国男性を演じている詐欺師の実際の国籍は?
国際ロマンス詐欺は、キャラクターや国籍を偽るのも常套手段です。しかし、詐欺師の拠点がどこで、実際にどこに住んでいて、どこの国籍の人物なのかを突き止めるのは難しいというのが実情です。
韓国人を演じる詐欺師は実際にはどこの国籍なのか?続けて姐さんに聞いてみました。
―― 中華圏の詐欺師は多い ――
韓国人男性のはずが、やり取りの中でLINE画面のスクショを送って貰うと、相手がなぜか「中国語」でメッセージを送って来たり、それを慌てて消去することがありました。また、韓国人設定を忘れてるのか普通に中国語で連絡してきたりすることも度々ありました。
また、中国の観光地にやたらと詳しかったり、ジャッキー・チェンやジェット・リー、サモ・ハン・キンポーの話題に食いついてくるような詐欺師もいます。(笑)
東京に住んでいるといった詐欺師の中には、証拠に送って来た日本の運転免許証の住所欄が「東京都」ではなく「东京都」となっていました。怒った時に罵る際に翻訳アプリを使わないで中国語で罵ってきたりすることもあります。一定の割合で中華圏の人物が演じている可能性は高いでしょう。
―― アフリカ人詐欺師の可能性も ――
荷物送付や口座凍結の送金代行等の詐欺師は、よくビデオ通話をして来ますがネイティブな英語とは程遠く、アフリカ英語のようにも聞き取れます。
Instagramですとある程度フォロワーが多いアカウントは「アカウント所在地」が見れる時がありますが、韓国人設定の詐欺アカウントの所在地の多くは「ナイジェリア」で時々「ガーナ」「オマーン」となっています。ナイジェリア人の詐欺師も現地にてグループ単位で摘発されています。
アフリカ人詐欺師も韓国人を装って日本人女性をターゲットにしているグループはあるようです。
―― 日本人詐欺師は少ない? ――
国際ロマンス詐欺は、日本人詐欺師が国内や外国で摘発されるケースもニュースなどで報道されています。ただし、日本人詐欺師が韓国人設定をするケースは今のところあまり見られないようです。
裏で日本人詐欺師が指揮を取っているという可能性は否定できませんが。
韓国人ロマンス詐欺の事例
韓国人を演じる詐欺師はどのような手口で日本人女性に近づいて、どのようなキャラクターを演じてお金を引き出そうとするのでしょうか。
専門家の姐さんは自らおとりになって詐欺師とのやり取りをすることもあるそうです。そこで、姐さんが経験した事例と姐さんが被害者から相談を受けた事例を実際の詐欺師とのやり取りのLINE画像と併せて紹介します。
もしも似たようなケースでアプローチを受けている方は気をつけてください。
不動産業で投資家を騙る詐欺師「ジェイソン」
東京都江東区住み韓国人
職業:不動産業 副業で投資
ジェイソンとはマッチングアプリ「ペアーズ」で出会いました。すぐにLINEでのやり取りを提案してきて、初日から「結婚したい」と言ったり、軽く卑猥な会話をしてきます。
毎夜60代の母親と一緒に投資をしているそうで、「未来の妻に勉強を教える」としつこく誘ってきます。休日にビジネス相手に会う為に車で奈良県まで行ったそうで、高速なら往復15時間位かかるはずが、往復4時間で帰宅しています。話しの辻褄があいません。
1ヶ月間ものあいだ勉強を断っていたら、「家も車もあるし女性に不自由していない。口で言う愛ではなく探しているのは誠実な愛。お互いの為に別れましょう」と詐欺師の方から別れを告げられました。
整形外科医を騙る詐欺師「チャンヌ」
米国系韓国人で娘が米国の寄宿学校にいる
職業:アメリカンホスピタルパリ勤務の整形外科医
チャンヌは突然インスタにダイレクトメール(DM)をしてきました。「あなたに興味がある…」とアプローチしてきて、その後、LINEでやり取りしようと促してきました。しばらくやり取りした後、突然「娘が病気になりパリから米国に渡りたいが米国銀行の口座が凍結して使えないので大至急日本円で60万円用意して欲しい」と執拗に連絡して来ました。
「あなたはロマンス詐欺の人ね」と言うと、毎日欠かさず来ていたLINEが一切来なくなりました。
アパレル会社経営を騙る詐欺師「ヒョンジュン」
釜山出身ソウル在住の韓国人
職業:アパレル会社経営
ヒョンジュンは「年明けに北海道へスキーに行くので良い所を教えて」と突然インスタにDMしてきました。朝から夜までマメにLINEからの連絡が続き、健康や体の心配をする優しさを見せつつ、お金儲けの話題を出してきます。
ステーブルコインのUSDT(Tether)で稼いで日本に子会社を設立する予定だと成功をアピールしてきます。そして「暗号通貨投資について一緒に勉強しよう」としつこく迫ってきます。
「そんな話には興味がない。普通の会話がしたい」と言ったら「さようなら」とブロックされました。
形成外科医を騙る詐欺師「ヒョンウエンジュン」
韓国人
職業:イエメンの軍事キャンプに派遣された形成外科医
インスタにDMが来て、何度かやり取りを続けると「キャンプが攻撃され仲間の医師が数名殺された。軍から離れたいので将軍にメールをして欲しい」と依頼されました。その将軍にメールをすると、「彼が退役するには40万円必要」と返信してきます。
ヒョンウエンジュンは「自分の口座から君の口座に後でお金を振込むから、指定する銀行口座に40万円送金して欲しい」と頼んできます。さらに、ヒョンウエンジュンの銀行係員からも連絡が来て「お金を振り込まないとあなたの口座に送金できない」と言ってきます。
その後、送金を断ってもしつこく連絡してきますが、断り続けると連絡が来なくなりました。
貿易会社社員を騙る詐欺師「キム・ジェジュン」
職業:生地の貿易会社員。日本に支社を設立予定。
キム・ジェジュンはインスタに「あなたが投稿した写真の場所はどこですか?」とDMしてきました。世間話が続いた後にLINE交換しました。だんだん慣れて来ると投資の話を持ち出してきます。
USDTの説明をおこない勉強用の仮サイトで体験させようとします。そして、投資に興味を持たせたら、日本人名義のオンライン口座に振込むように催促します。
実際に銀行に預けていた学費貯金があったのですが、それを数回に分けて指定の日本人名義のオンライン口座に振込んでしまいました。
さらに要求がエスカレートし、ローンを組んで資金を追加入金するように言われました。それを断ると激しく罵って、その後は音信不通となりました。
料理店を経営と騙る詐欺師「Allen」
韓国在住。韓国人の父親とブルネイ人の母親のハーフ
職業:中国式の韓国料理店を経営。いつか日本に出店したい
AllenからはインスタにDMが来たのが始まりです。看護師をしていたAllenの妻は3年前コロナにかかって亡くなったそうです。世間話から話しはだんだんと投資の話しが中心に。
「儲かる」「資金を増やそう」という言葉を信じて詐欺師が作った仮想通貨取引所に入金しました。言われるがままに数回に分けて入金していたら、総額2,500万円を入金してしまいました。
詐欺に遭っているという自覚はなかったので指示を仰いでお金を増やしていると思っていましたが、いざ引き出そうとしたら連絡が取れなくなりました。
貿易会社設立予定を騙る詐欺師「Peter」
韓国人
職業:生地国際輸出入貿易会社 (NYに支店。日本にも設立予定)
副業:仮想通貨で儲ける
インスタにDMしてきました。やり取りが続いた後にLINEへ移行しました。「保護犬の収容所を設立した」ということを大真面目に語ります。また、2018年に両親が決めた相手と政略結婚したそうですが、性格が合わず半年で離婚したそう。
それから、「君がお金を貯めたら仮想通貨の勉強をしよう。私の貴重な知識あなたに教えてあげる。」と投資のお誘いです。お金が無いと断ると「ハニー、定期預金や保険がありませんか?」と食い下がります。
その後もやたらと、日本進出のために会議等があるからと、「日本に行くよとアピール」をします。無視していたら連絡が来なくなりました。
石油エンジニアを騙る詐欺師「ボム」
韓国釜山出身英国住み
職業:オフショア石油エンジニアリング勤務
ボムはインスタに「あなたが気に入りました」とDMしてきました。「日本に引っ越して運命の女性と新しい生活を始める予定」「日本で洋食レストランを開きたい」「父は5歳の時に亡くなり母は15歳まで私を訓練した」「母は父の死を悲しみ過ぎて私が16歳の時に亡くなる」「私も助けてくれる人がいなくて自殺したかった」「30歳で海洋地質学者として卒業しました」「出産の時に妻も子供も亡くなった」「週末孤児院に行く」など、いろんなエピソードを語ります。
アフリカ系詐欺師によくある手口ですが、すぐに詐欺だとわかる内容で、被害に遭わずに済みました。
建築設計事務所経営を騙る詐欺師「ポール」
来日5年の韓国人
職業:大阪で建築設計事務所を経営
ポールとはマッチングアプリOmiaiで知り合いました。ポールは大学時代に建築設計を学び、金融経済も勉強したということです。LINEに移行後は、関心を持たせようとするのか、起業の話しや元カノの話しなど、いろんなエピソードを一方的に話します。
会話の中にときおり投資の話しを入れてきます。「投資で稼いで両親をモルディブに連れて行った」といった自慢話も。そして、1週間も経つと「未来に結婚したら専業主婦でもいいが、今から少しづつお金を貯めよう」「一緒に努力して事前に富の夢を実現しよう」などと、結婚をちらつかせながら、しきりに投資させようとします。
googleブラウザで指定のURLにログインして学習口座とパスワードをかけるよう言ってきました。さすがに断りにくかったので、その場でブロックして逃げました。
貿易会社経営を騙る詐欺師「アレン」
韓国人
職業:日本で貿易会社経営
アレンとはマッチングアプリMEEFFで知り合いました。自己紹介がひと通り終わると、初日から投資で200万円儲ったと画面を見せてきます。
2日目には甘い会話が始まり、3日目で"妻"と言ってきます。エロな会話がだんだん増えますが、要所要所で投資をして儲かっているアピールしてきます。
際どいエロな会話が続く時と投資の話が続く時とがあります。また、突然中国語で返信してくることもあります。中の人が2人いるのでは無いかと怪しんでいたら、その直後、アレンはLINEから消えてしまいました。
まとめ
国際ロマンス詐欺は、誰もが被害者になる可能性がある詐欺事件です。私は大丈夫と思っていても、いざイケメンの韓国人男性から熱いメッセージが送られてきたら、韓国文化に興味がある女性なら心は揺れ動くでしょう。
ロマンス詐欺の手口は年々巧妙化しており、相手の言うままにお金を支払ってしまう事件が今も増加しています。Instagramやマッチングアプリから近づいてくる、詐欺師には「返信しない」「相手にしない」「お金を払わない」という姿勢が重要です。